問題
筋性防御の原因となるのはどれか。
- 下肢の熱傷
- 骨格筋の損傷
- 腹膜の炎症
- 肋骨の骨折
解答: 3(腹膜の炎症)
解説
- 誤り。下肢の熱傷は体表の障害であり、腹膜の炎症を伴わないため筋性防御は起こらない。
- 誤り。骨格筋の損傷は筋組織自体の外傷であり、腹膜炎による反射性の腹壁筋緊張とは機序が異なる。
- 正しい。筋性防御は腹膜炎の際に見られる腹壁筋の反射的な緊張(不随意的な筋収縮)であり、内臓-体性反射の一種である。腹膜の炎症による侵害刺激が内臓求心性神経を介して脊髄に伝達され、同じ脊髄分節の体性運動ニューロン(α運動ニューロン)が反射的に興奮することで腹壁が板状に硬くなる。これは腹部の臓器を保護するための防御機構である。
- 誤り。肋骨の骨折は胸壁の障害であり、腹膜の炎症を直接引き起こさないため筋性防御の原因にはならない。
ポイント
筋性防御は腹膜炎による内臓-体性反射であり、腹壁筋が板状に硬化する臨床的に重要な所見である。
- 覚え方のコツ: 「筋性防御=腹膜=おなかが板のように硬い」と覚える。腹部の触診で「板状硬」が認められれば腹膜炎を強く疑う。
- 関連知識: 関連痛も内臓-体性反射の一種であり、内臓の痛みが同じ脊髄分節の皮膚に投射される。例えば虫垂炎の初期は臍周囲の関連痛として始まり、後にマクバーネー点に圧痛が限局する。
- よくある間違い: 骨格筋の損傷による筋スパズムと筋性防御を混同すること。筋性防御は腹膜炎に特異的な内臓-体性反射であり、骨格筋自体の損傷による筋緊張とは機序が異なる。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
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