問題
筋収縮のエネルギーとして直接使われるのはどれか。
- グルコース
- グリコーゲン
- クレアチンリン酸
- アデノシン三リン酸
解答: 4(アデノシン三リン酸)
解説
- 誤り。グルコースは解糖系やTCA回路を経てATPを産生する基質(燃料)であり、筋収縮の直接的エネルギー源ではない。
- 誤り。グリコーゲンは筋や肝臓に貯蔵される多糖類であり、グルコースに分解された後にATP産生の基質となる。間接的なエネルギー貯蔵形態である。
- 誤り。クレアチンリン酸はクレアチンキナーゼの作用によりADPにリン酸基を転移してATPを迅速に再合成する物質である。ATPの再合成に寄与する間接的エネルギー源であり、筋収縮に直接使われるわけではない。
- 正しい。筋収縮のエネルギーとして直接使われるのはATP(アデノシン三リン酸)である。ミオシン頭部のATPase活性によりATPがADPとPiに加水分解され、そのエネルギーでクロスブリッジサイクル(架橋運動)が駆動される。ATPは生体のエネルギー通貨と呼ばれ、あらゆる細胞活動の直接的エネルギー源である。
ポイント
筋収縮の「直接的」エネルギー源はATPであり、他の物質はATP産生の基質や再合成に関わる「間接的」エネルギー源であるという区別が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「直接=ATP」と即答できるようにする。クレアチンリン酸は「ATPの充電器」、グルコース・グリコーゲンは「ATPの原料」と位置づける。
- 関連知識: エネルギー供給の順序は「ATP(細胞内の貯蔵・ごく少量)→クレアチンリン酸(即時再合成)→解糖系(嫌気的)→有気的代謝(TCA回路+電子伝達系)」である。
- よくある間違い: クレアチンリン酸を「直接的エネルギー源」と選んでしまうケース。クレアチンリン酸は筋収縮に直接使われるのではなく、ATPを迅速に再合成する物質である。
- 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
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