問題
筋収縮について誤っている記述はどれか。
- エネルギーとしてATPを用いる。
- 筋収縮に伴って熱が発生する。
- 運動の多くは単収縮による。
- 強縮が続くと筋の疲労が起こる。
解答: 3(運動の多くは単収縮による。)
解説
- 正しい。筋収縮の直接的エネルギー源はATPである。ミオシン頭部のATPase活性によりATPがADPとPiに分解され、そのエネルギーで架橋運動(クロスブリッジサイクル)が駆動される。
- 正しい。筋収縮に伴い化学エネルギーの一部が熱エネルギーに変換される。筋のエネルギー効率は約20〜25%であり、残りの大部分は熱として放散される。
- 誤り。日常の運動の多くは単収縮ではなく強縮(特に不完全強縮)によって行われる。単収縮は1回の活動電位による瞬間的な収縮であり、力が弱く持続時間も短い。実際の随意運動では運動神経から高頻度のインパルスが送られ、単収縮が時間的に加重・融合して滑らかで力強い持続的収縮(強縮)が実現される。
- 正しい。強縮が持続するとATPの消費が供給を上回り、乳酸の蓄積やグリコーゲンの枯渇が生じて筋疲労が起こる。
ポイント
日常の随意運動は単収縮ではなく強縮(不完全強縮)によって行われるという点が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「単収縮=ピクッと1回だけ=実用的ではない」「強縮=ギュッと持続=日常運動」と擬音で区別する。
- 関連知識: 刺激頻度を上げると単収縮→不完全強縮→完全強縮へと移行する。完全強縮では個々の単収縮波形が完全に融合し、最大張力が持続する。
- よくある間違い: 「単収縮が積み重なって運動になる」という誤解。単収縮が加重するのは正しいが、その結果生じるのは「強縮」であり、「単収縮の繰り返し」とは異なる。
- 教科書では「c.単収縮と強縮」の範囲に該当する。
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