問題
神経線維の興奮伝導について誤っている記述はどれか。
- 絶縁性伝導をする。
- 不減衰伝導をする。
- 一方向性伝導をする。
- 太い線維ほど伝導速度が速い。
解答: 3(一方向性伝導をする。)
解説
- 正しい。絶縁性伝導は伝導の三原則の一つであり、隣接する神経線維に興奮が乗り移らず、各線維が独立して興奮を伝える。髄鞘が絶縁体として機能し、有髄線維では特に絶縁性が高い。
- 正しい。不減衰伝導は伝導の三原則の一つであり、活動電位の大きさは伝導距離に関係なく一定で、途中で減衰しない。全か無の法則に基づく。
- 誤り。神経線維の興奮伝導は両方向性である。伝導の三原則は「絶縁性・不減衰性・両方向性」であり、一方向性は含まれない。一方向性はシナプスにおける伝達の特徴であり、伝導の特徴ではない。本問では選択肢3が誤りの記述として正解となる。なお選択肢4は一般的に正しい記述であり、太い線維ほど内部抵抗が小さく伝導速度が速い。
- 正しい。神経線維の伝導速度は線維径に比例し、太い線維ほど伝導速度が速い。
ポイント
伝導の三原則は「絶縁性・不減衰性・両方向性」であり、一方向性伝導は含まれない。一方向性はシナプス伝達の特徴である。
- 覚え方のコツ: 伝導の三原則を「ゼ・フ・リョウ(絶縁・不減衰・両方向)」で覚える。問題589でも同じテーマが出題されている。
- 関連知識: 生体内では一方向にしか伝導しないように見えるが、これはシナプスが一方向性であるためであり、神経線維自体の性質は両方向性である。実験的に神経線維の中央を刺激すると両方向に活動電位が伝わることで証明される。
- よくある間違い: 「伝導は一方向性」と思い込む受験生が多い。体内で一方向にしか信号が流れないのはシナプスのフィルター機能による結果であり、神経線維そのものは両方向に伝導する。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
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