問題
神経線維の興奮伝導について正しい記述はどれか。
- 興奮伝導は一方向性に起こる。
- 無髄線維は有髄線維より伝導速度が速い。
- 興奮の大きさは伝導の途中で減衰する。
- 有髄線維では跳躍伝導が起こる。
解答: 4(有髄線維では跳躍伝導が起こる。)
解説
- 誤り。神経線維の興奮伝導は両方向性である。一方向性なのはシナプスにおける伝達の特徴であり、伝導と伝達を混同しないこと。
- 誤り。有髄線維は跳躍伝導により無髄線維より伝導速度が格段に速い。無髄線維は連続伝導であるため速度は遅い。
- 誤り。神経線維の興奮伝導は全か無の法則に従い、途中で減衰しない(不減衰伝導)。活動電位の振幅は伝導距離に関係なく一定である。
- 正しい。有髄線維では髄鞘(ミエリン鞘)が絶縁体として働き、活動電位はランビエ絞輪の間を飛び越えるように伝わる跳躍伝導が起こる。髄鞘は中枢ではオリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)、末梢ではシュワン細胞が形成する。跳躍伝導は伝導速度を大幅に速くし、かつNa⁺-K⁺ポンプの仕事量を減らしてエネルギー効率も高める。
ポイント
興奮伝導の3原則は「絶縁性・不減衰性・両方向性」であり、有髄線維では跳躍伝導により高速伝導が実現されている。
- 覚え方のコツ: 伝導の3原則を「ゼフリョウ(絶縁・不減衰・両方向)」と頭文字で覚える。これらは全てシナプス伝達の特徴(一方向・遅延・疲労)と対照的である。
- 関連知識: 多発性硬化症(MS)は中枢神経の脱髄疾患であり、跳躍伝導が障害されて伝導速度が低下する。ギラン・バレー症候群は末梢神経の脱髄疾患である。
- よくある間違い: 「伝導は一方向性」と混同する誤りが最も多い。「伝導=両方向性(神経線維上)」「伝達=一方向性(シナプス)」をセットで覚える。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
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