問題
神経筋接合部の特徴として誤っている記述はどれか。
- インパルスは両方向性に伝達される。
- 伝達物質はアセチルコリンである。
- クラーレにより遮断される。
- 興奮性シナプスである。
解答: 1(インパルスは両方向性に伝達される。)
解説
- 誤り。神経筋接合部における興奮の伝達は一方向性であり、運動神経終末から骨格筋の方向にのみ伝達される。神経終末のシナプス小胞からアセチルコリンが放出され、筋側の運動終板のニコチン受容体に結合して終板電位(EPP)を発生させる。受容体は運動終板にのみ存在するため、逆方向への伝達は構造的に起こりえない。これは化学シナプスの基本的特徴である。
- 正しい。神経筋接合部の伝達物質はアセチルコリン(ACh)であり、コリンエステラーゼにより速やかに分解される。
- 正しい。クラーレ(ツボクラリン)はニコチン受容体の競合的拮抗薬であり、神経筋接合部を遮断して筋弛緩を起こす。
- 正しい。神経筋接合部は常に興奮性の終板電位(EPP)を発生させる興奮性シナプスであり、抑制性シナプスは存在しない。
ポイント
神経筋接合部は化学シナプスの一種であり、一方向性伝達が基本特徴である。「両方向性」は神経線維の伝導の特徴であり混同しない。
- 覚え方のコツ: 神経筋接合部の特徴を「ACh・ニコチン受容体・一方向性・興奮性のみ・クラーレで遮断」の5点セットで覚える。
- 関連知識: 重症筋無力症は神経筋接合部のニコチン受容体に対する自己抗体が原因の自己免疫疾患である。抗コリンエステラーゼ薬(ネオスチグミンなど)でAChの分解を抑制して治療する。
- よくある間違い: 問題576・580と同様に「伝導(両方向性)」と「伝達(一方向性)」の混同が問われている。神経筋接合部もシナプスの一種であるため一方向性伝達である。
- 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント