問題
発熱について正しい記述はどれか。
- インターロイキンが原因となる。
- 体温調節機構は大脳皮質にある。
- 38℃で蛋白質の変性が始まる。
- セットポイントは平熱時より低い。
解答: 1(インターロイキンが原因となる。)
解説
- 正しい。発熱はインターロイキン(IL-1、IL-6など)やインターフェロン、TNF-αなどの内因性発熱物質が視床下部の体温調節中枢に作用し、プロスタグランジンE2を介してセットポイントを上昇させることで起こる。外因性発熱物質(細菌・ウイルスなど)が体内に侵入すると、マクロファージなどの免疫細胞がこれらの内因性発熱物質を産生する。
- 誤り。体温調節機構の中枢は視床下部(前視床下部・視索前野)にあり、大脳皮質ではない。
- 誤り。蛋白質の熱変性は42℃以上で始まるとされ、38℃では変性しない。
- 誤り。発熱時にはセットポイントが平熱時より高く設定される。セットポイントが上昇するため、体は現在の体温を「低い」と認識し、産熱亢進・放熱抑制(悪寒・ふるえ・皮膚血管収縮)が起こる。
ポイント
- 発熱の本質はセットポイントの上昇であり、内因性発熱物質(インターロイキン等)が視床下部に作用して起こる。
- 覚え方のコツ: 「発熱=セットポイント↑」「うつ熱=セットポイント正常で環境の熱負荷過大」と対比して覚える。
- 関連知識: 解熱剤(NSAIDs)はプロスタグランジンE2の産生を抑制してセットポイントを正常化する。うつ熱(熱中症)ではセットポイントは正常なため解熱剤は無効である。
- よくある間違い: 発熱とうつ熱を混同しやすい。発熱=セットポイント上昇、うつ熱=セットポイント正常で放熱が追いつかない状態である。
| 項目 | 発熱 | うつ熱(熱中症) |
|---|---|---|
| セットポイント | 上昇 | 正常 |
| 原因 | 内因性発熱物質(IL等) | 環境の熱負荷過大 |
| 症状 | 悪寒・ふるえ・皮膚血管収縮 | 皮膚血管拡張・発汗 |
| 解熱剤 | 有効 | 無効 |
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