問題
発熱について正しい記述はどれか。
- 体温が39℃になるとタンパク質が変性する。
- 発熱物質の作用により産熱が高まる。
- 深部体温は変化しない。
- 中脳が関与する。
解答: 2(発熱物質の作用により産熱が高まる。)
解説
- 誤り。体温39℃程度ではタンパク質は変性しない。タンパク質変性は通常42℃以上で起こる。
- 正しい。発熱は外因性発熱物質(細菌・ウイルス)が体内に侵入し、マクロファージなどから内因性発熱物質(インターロイキン、インターフェロンなどのサイトカイン)が産生されることで起こる。これらが視床下部のセットポイントを上方にずらし、産熱の亢進(悪寒・ふるえ)と放熱の抑制(皮膚血管収縮)が同時に生じて体温が上昇する。解熱時にはセットポイントが正常に戻り、発汗による放熱が促進される。
- 誤り。発熱時にはセットポイント上昇に伴い深部体温も上昇する。
- 誤り。発熱に関与する体温調節中枢は視床下部にあり、中脳ではない。
ポイント
- 発熱はセットポイントの上昇により産熱亢進+放熱抑制が起こる現象である。
- 覚え方のコツ: 「発熱=セットポイント↑」「うつ熱=セットポイント正常だが環境の熱負荷過大」と対比して覚える。
- 関連知識: うつ熱(熱中症)はセットポイントが正常なので解熱剤が無効であり、物理的冷却が必要である。
- よくある間違い: 発熱とうつ熱を混同しやすい。発熱は感染症などで能動的にセットポイントが上昇する現象、うつ熱は環境要因による受動的な体温上昇である。
| 項目 | 発熱 | うつ熱(熱中症) |
|---|---|---|
| セットポイント | 上昇 | 正常 |
| 原因 | 外因性・内因性発熱物質 | 環境の熱負荷過大 |
| 発熱時の反応 | 悪寒・ふるえ・皮膚血管収縮 | 皮膚血管拡張・発汗(追いつかない) |
| 解熱剤 | 有効 | 無効 |
| 対処 | 薬物療法 | 物理的冷却 |
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