問題
痛覚に関与しない物質はどれか。
- カリウムイオン
- マグネシウムイオン
- ヒスタミン
- ブラジキニン
解答: 2(マグネシウムイオン)
解説
- 正しい。組織損傷により細胞内からカリウムイオンが遊出し、自由神経終末を直接刺激して発痛物質として作用する。細胞内液に最も多い陽イオンであるため、細胞破壊時に大量に放出される。
- 誤り。マグネシウムイオンは発痛物質ではなく、痛覚に直接関与しない。マグネシウムはむしろNMDA受容体をブロックして神経の興奮性を抑制する方向に作用し、鎮痛に寄与する可能性がある。発痛物質としてはブラジキニン(最も強力)、ヒスタミン、セロトニン、カリウムイオン、プロスタグランジン、水素イオン、アセチルコリンなどが知られる。
- 正しい。ヒスタミンは肥満細胞(マスト細胞)から放出される発痛物質であり、侵害受容器を刺激して痛覚を惹起する。同時に血管拡張や浮腫も引き起こす。
- 正しい。ブラジキニンは血漿中のキニノーゲンから生成される最も強力な発痛物質であり、侵害受容器を強く刺激する。炎症時に大量に産生される。
ポイント
主な発痛物質は「ブラジキニン・ヒスタミン・セロトニン・K⁺・プロスタグランジン」であり、Mg²⁺は含まれない。
- 覚え方のコツ: 「ブ(ブラジキニン)ヒ(ヒスタミン)セ(セロトニン)カ(カリウム)プ(プロスタグランジン)」→「ブヒセカプ」で発痛物質を覚える。
- 関連知識: プロスタグランジンは発痛増強物質であり、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)はプロスタグランジン合成を阻害して鎮痛作用を発揮する。これは薬理学・臨床医学との重要な接点である。
- よくある間違い: カリウムイオンが発痛物質であることを見落としやすい。「細胞破壊→K⁺遊出→痛み」という流れを理解する。
- 教科書では「b.内因性発痛物質」の範囲に該当する。
| 発痛物質 | 由来 | 特徴 |
|---|---|---|
| ブラジキニン | 血漿キニノーゲン | 最も強力な発痛物質 |
| ヒスタミン | 肥満細胞 | 血管拡張も惹起 |
| セロトニン | 血小板 | 発痛・血管収縮 |
| カリウムイオン | 損傷細胞 | 細胞破壊で遊出 |
| プロスタグランジン | アラキドン酸代謝 | 発痛増強物質 |
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