問題
痛みについて誤っている記述はどれか。
- 鋭い痛みと鈍い痛みとがある。
- 深部痛覚は局在性が明確である。
- 受容器は自由神経終末である。
- エンドルフィンは内因性鎮痛物質である。
解答: 2(深部痛覚は局在性が明確である。)
解説
- 正しい。痛みにはAδ線維が伝える鋭い速い痛み(一次痛・刺すような痛み)とC線維が伝える鈍い遅い痛み(二次痛・うずくような痛み)の2種類がある。Aδ線維は有髄で伝導速度が速く、C線維は無髄で伝導速度が遅い。
- 誤り。深部痛覚(筋・腱・骨膜・関節などからの痛み)は局在性が不明確であり、鈍く持続的でうずくような性質を持つ。これに対し、皮膚の表在痛覚は比較的局在が明確である。深部痛では関連痛(内臓や深部組織の痛みが体表面に投射される現象)も起こりやすく、痛みの部位特定が困難になる。
- 正しい。痛覚受容器(侵害受容器)は特殊な構造を持たない自由神経終末(裸の神経末端)であり、皮膚・筋・内臓など広範囲に分布する。他の感覚受容器のような被包構造を持たない。
- 正しい。エンドルフィン(β-エンドルフィンなど)はオピオイド受容体に結合する内因性鎮痛物質であり、下行性痛覚抑制系で作用する。エンケファリンも同様に内因性オピオイドとして鎮痛作用を持つ。
ポイント
深部痛覚は局在性が不明確で鈍い持続痛であり、表在痛覚の局在が明確であるのと対照的である。
- 覚え方のコツ: 「深い所の痛みはどこが痛いかわからない」→深部痛=局在不明確、表在痛=局在明確と対比で覚える。
- 関連知識: 関連痛の臨床例として、心筋梗塞の左肩〜左腕への放散痛がある。ゲートコントロール理論では太い触覚線維(Aβ)の刺激が細い痛覚線維(C)の信号を脊髄後角で抑制する。
- よくある間違い: 「深部=深い場所なので局在がわかりやすい」と誤解しやすい。深部は受容器密度が低く、痛覚線維の収束が大きいため局在は不明確である。
- 教科書では「a.痛みの分類」の範囲に該当する。
| 痛みの種類 | 伝導線維 | 特徴 | 局在性 |
|---|---|---|---|
| 速い痛み(一次痛) | Aδ線維(有髄) | 鋭い、刺すような | 明確 |
| 遅い痛み(二次痛) | C線維(無髄) | 鈍い、うずくような | やや不明確 |
| 深部痛 | C線維が主 | 鈍い、持続的 | 不明確 |
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