問題
無髄神経の伝導様式について誤っているのはどれか。
- 絶縁伝導
- 跳躍伝導
- 不減衰伝導
- 両側性伝導
解答: 2(跳躍伝導)
解説
- 正しい。絶縁伝導(一本の神経線維の興奮が隣接する線維に伝わらない性質)は有髄・無髄に共通する伝導の基本原則であり、無髄神経にも当てはまる。
- 誤り。跳躍伝導は有髄神経に特有の伝導様式であり、無髄神経では起こらない。跳躍伝導は髄鞘の絶縁作用によりランビエ絞輪間を活動電位が跳躍的に伝わる方式で、高速伝導を可能にする。無髄神経は髄鞘もランビエ絞輪も持たないため、局所電流が隣接部位に順次広がる「連続伝導」で興奮が伝わり、伝導速度は有髄神経より著しく遅い。
- 正しい。不減衰伝導(活動電位の振幅が伝導中に減少しない性質)は全か無の法則に基づく伝導の基本原則であり、無髄神経にも当てはまる。
- 正しい。両側性伝導(刺激点から両方向に興奮が伝導する性質)は有髄・無髄に共通する伝導の基本原則であり、無髄神経にも当てはまる。
ポイント
跳躍伝導は有髄神経に特有であり、無髄神経は連続伝導で興奮が伝わる。
- 覚え方のコツ: 伝導の3原則「両方向性・不減衰・絶縁性」は有髄・無髄ともに共通である。「跳躍伝導だけが有髄限定」と覚えればこの問題は解ける。
- 関連知識: 問577(絶縁性伝導)や問582(興奮伝導)とも関連する。無髄C線維の伝導速度は0.5〜2m/s、有髄Aα線維は70〜120m/sと大きな差がある。
- よくある間違い: 「不減衰伝導」を有髄神経だけの性質と誤解しやすいが、不減衰伝導は全か無の法則に基づく全ての神経に共通の性質である。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
| 伝導の性質 | 有髄神経 | 無髄神経 |
|---|---|---|
| 両方向性伝導 | あり | あり |
| 不減衰伝導 | あり | あり |
| 絶縁性伝導 | あり | あり |
| 跳躍伝導 | あり | なし(連続伝導) |
表: 有髄神経と無髄神経の伝導様式比較
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