問題
溶血を起こすのはどれか。
- 赤血球と好中球との混合
- 蒸留水の添加
- 血小板の減少
- 血液凝固因子の除去
解答: 2(蒸留水の添加)
解説
- 誤り。赤血球と好中球を混合しても浸透圧変化は生じず、溶血は起こらない。
- 正しい。蒸留水(純水)は浸透圧がほぼ0の低張液であり、添加すると浸透圧の差により水が赤血球内に流入して赤血球が膨張・破裂し、溶血が起こる。赤血球を低張液(細胞外液よりも浸透圧の低い溶液)に入れると、水が赤血球内に入って赤血球が膨張し細胞膜が破れて溶血を起こす。これが水を静脈注射してはいけない理由である。
- 誤り。血小板の減少は出血傾向(紫斑など)をもたらすが、赤血球膜の破壊である溶血とは直接関係しない。
- 誤り。血液凝固因子の除去は凝固能の低下をもたらすが、溶血の原因とはならない。
ポイント
- 溶血は赤血球膜が壊れヘモグロビンが細胞外に流出する現象であり、低張液への暴露が代表的な原因である。
- 覚え方のコツ: 「低張液→水流入→赤血球膨張→破裂=溶血」の流れを因果関係で覚える。
- 関連知識: 溶血は低張液のほか、細菌毒素、血液型不適合輸血、物理的刺激(超音波など)でも起こる。
- よくある間違い: 「生理食塩水(0.9% NaCl)でも溶血が起こる」と思いがちだが、生理食塩水は等張液であるため溶血は起こらない。
| 溶血の原因 | 機序 |
|---|---|
| 低張液(蒸留水など) | 浸透圧差による水の流入→赤血球膨張・破裂 |
| 細菌毒素 | 赤血球膜の直接的な損傷 |
| 血液型不適合輸血 | 抗原抗体反応による赤血球の凝集・溶血 |
| 物理的刺激(超音波等) | 機械的な赤血球膜の破壊 |
表: 溶血の主な原因と機序
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