問題
海馬の機能はどれか。
- 唾液分泌
- 味覚
- 記憶
- 協調運動
解答: 3(記憶)
解説
- 誤り。唾液分泌の反射中枢は延髄の唾液核(上唾液核・下唾液核)にあり、海馬の機能ではない。
- 誤り。味覚は頭頂葉の中心後回下部と島皮質にある味覚野で処理される一次感覚であり、海馬の機能ではない。
- 正しい。海馬は側頭葉内側面に位置する大脳辺縁系の重要な構造であり、新しい記憶の形成に不可欠な役割を果たす。特に短期記憶から長期記憶への変換(記憶の固定化)に関与しており、陳述記憶(エピソード記憶・意味記憶)の形成に重要である。海馬が両側性に障害されると、新しい出来事を記憶できなくなる前向性健忘が生じる(症例H.M.が有名)。
- 誤り。協調運動の制御は小脳の主要な機能であり、海馬の機能ではない。小脳は運動のタイミング・力加減・姿勢の微調整を担う。
ポイント
海馬は大脳辺縁系に属し、記憶(特に短期記憶から長期記憶への変換)に不可欠な構造である。
- 覚え方のコツ: 「海馬=メモリー(記憶)」「海馬の形が”タツノオトシゴ”→記憶を落とさない」と覚える。辺縁系は「海馬=記憶」「扁桃体=情動(恐怖)」の2本柱。
- 関連知識: アルツハイマー型認知症では海馬の萎縮が初期から見られ、近時記憶の障害(もの忘れ)が主症状となる。海馬の長期増強(LTP)はシナプス可塑性のモデルとして学習・記憶の分子機構の解明に重要である。
- よくある間違い: 海馬を「情動」の中枢と誤解すること。情動は扁桃体、記憶は海馬と区別する。ただし情動を伴う記憶(情動記憶)には扁桃体と海馬の両方が関与する。
- 教科書では「c.新皮質」の範囲に該当する。
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