問題
活動電位について誤っている記述はどれか。
- 活動電位はスパイク電位とも呼ばれる。
- オーバーシュートは過分極時に現れる。
- 全か無かの法則に従う。
- 膜電位の正方向への変化は脱分極と呼ばれる。
解答: 2(オーバーシュートは過分極時に現れる。)
解説
- 正しい。活動電位は急峻で短時間の電位変化を示すため、スパイク電位(spike potential)とも呼ばれる。
- 誤り。オーバーシュートは脱分極時に膜電位が0mVを超えてプラス側に転じる現象であり、過分極時ではない。活動電位発生時には電位依存性Na+チャネルが開口し、Na+の急速な流入により膜電位が静止電位(約-70mV)から+30〜+40mV程度まで上昇する。この0mVを超える部分がオーバーシュートである。過分極は膜電位が静止電位よりさらに負の方向に変化する現象であり、活動電位の後に一過性に生じる(後過分極)。
- 正しい。活動電位は閾値以上の刺激では常に一定の大きさで発生し、閾値未満の刺激では発生しない(全か無の法則)。刺激の強さに応じて活動電位の大きさは変化しない。
- 正しい。膜電位が静止電位から正方向(0mVに向かう方向)へ変化することを脱分極と呼ぶ。
ポイント
オーバーシュートは「脱分極時に膜電位が0mVを超えてプラスに転じる現象」であり、過分極とは逆の方向の電位変化である。
- 覚え方のコツ: 「オーバーシュート=0mVを”超えて(over)飛び出す(shoot)”」とイメージする。脱分極の”行き過ぎ”と理解する。
- 関連知識: 活動電位の各相は「脱分極(Na+流入)→オーバーシュート→再分極(K+流出)→後過分極」の順である。静止電位の形成にはK+漏洩チャネルとNa+-K+ポンプが重要である。
- よくある間違い: オーバーシュートと過分極を混同しやすい。「オーバーシュート=脱分極時の+方向への行き過ぎ」「過分極=静止電位よりさらに-方向への変化」と方向で区別する。
- 教科書では「b.活動電位」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント