問題
正常体温で気温38°Cの時の主な放熱はどれか。
- 発汗
- 対流
- 放射
- 伝導
解答: 1(発汗)
解説
- 正しい。気温38℃は体温(約37℃)と同程度かそれ以上であるため、放射・対流・伝導はいずれも温度勾配に依存する放熱様式であり、環境温が体温に近い状況ではほとんど機能しない。環境温が体温と同程度になると蒸発が放熱の100%を担うことになる。したがって、発汗による蒸発(気化熱: 水1gあたり約0.58kcal)が唯一有効な放熱手段となる。外気温30℃を超えると発汗は急増し、35℃以上では蒸発のみが有効な放熱手段となる。
- 誤り。対流は体表面と周囲空気の温度差により起こるが、気温38℃では温度勾配がほぼゼロとなり放熱効果はない。
- 誤り。放射は接触していない物体間の温度差による赤外線放射であるが、環境温が体温以上であればむしろ熱を受ける方向に働く。
- 誤り。伝導は接触面との温度差により起こるが、気温38℃では温度勾配がなく放熱効果はない。
ポイント
- 環境温が体温と同程度(35℃以上)になると、蒸発のみが有効な放熱手段となる。
- 覚え方のコツ: 環境温25℃での放熱割合は「放射50%・対流30%・蒸発20%」が基本。環境温上昇とともに蒸発の割合が増加し、体温付近で100%になる。
- 関連知識: 高温多湿環境では蒸発も妨げられるためうつ熱(熱中症)のリスクが高まる。うつ熱はセットポイント正常で解熱剤無効である。
- よくある間違い: 「放射が最大の放熱様式」という知識を持っていても、それは環境温25℃での話であり、高温環境では蒸発が主体となることに注意する。
| 環境温 | 放射 | 伝導・対流 | 蒸発 |
|---|---|---|---|
| 25℃(常温) | 約50% | 約30% | 約20% |
| 30℃超 | 低下 | 低下 | 急増(発汗増加) |
| 35℃以上(≒体温) | ほぼ0% | ほぼ0% | 約100% |
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