問題
正常な心筋について誤っている記述はどれか。
- 横紋構造をもつ。
- 機能的合胞体をなす。
- 強縮を起こす。
- 不随意筋である。
解答: 3(強縮を起こす。)
解説
- 正しい。心筋はアクチンとミオシンの規則的配列による横紋構造を持つ横紋筋である。骨格筋と同様に横紋が見られるが、核は中央に1〜2個存在する点が骨格筋と異なる。
- 正しい。心筋細胞は介在板(ギャップ結合)で電気的に連結されており、興奮が細胞間を伝播して全体が同期収縮する機能的合胞体として振る舞う。
- 誤り。心筋は強縮を起こさない。心筋の活動電位は約200〜300msと非常に長く、不応期が収縮期とほぼ一致するため、次の刺激による加重(テタヌス)が生じない。この性質により心臓は規則的な収縮と弛緩のリズムを維持し、ポンプ機能を果たすことができる。
- 正しい。心筋は自律神経支配の不随意筋であり、意志で直接制御することはできない。ただし自動能を有する。
ポイント
心筋は「横紋筋かつ不随意筋」であり、不応期が長いため強縮しないという特異的な性質を持つ。
- 覚え方のコツ: 「心筋=横紋筋+不随意筋+強縮しない+合胞体」の4点セットで覚える。骨格筋は「横紋筋+随意筋+強縮する+独立」と対比する。
- 関連知識: 問704・631・640でも心筋の特徴が繰り返し出題されている。心筋の横紋構造は筋の分類(横紋筋vs平滑筋)の頻出ポイントである。
- よくある間違い: 「心筋は横紋筋だから随意筋」と混同しやすい。横紋筋には骨格筋(随意筋)と心筋(不随意筋)の2種類があることを明確に区別する。
- 教科書では「b.活動電位」の範囲に該当する。
| 分類 | 横紋構造 | 随意/不随意 | 強縮 | 合胞体 |
|---|---|---|---|---|
| 骨格筋 | あり | 随意筋 | あり | なし |
| 心筋 | あり | 不随意筋 | なし | 機能的合胞体 |
| 平滑筋 | なし | 不随意筋 | あり | 一部あり |
表: 3種類の筋の比較
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント