問題
末梢神経における活動電位の興奮伝導に主要な役割を果たすイオンはどれか。
- カリウムイオン
- カルシウムイオン
- ナトリウムイオン
- マグネシウムイオン
解答: 3(ナトリウムイオン)
解説
- 誤り。K+は活動電位の再分極相で電位依存性K+チャネルを通じて細胞外に流出し、膜電位を静止膜電位に戻す役割を担う。興奮伝導の主役ではなく、興奮の終息に関わる。
- 誤り。Ca2+はシナプス終末において神経伝達物質のエキソサイトーシス(開口分泌)を引き起こすトリガーとして重要であり、また筋小胞体からの放出は筋収縮の引き金となるが、活動電位の伝導そのものの主役ではない。
- 正しい。末梢神経の活動電位発生・伝導において、脱分極相では電位依存性Na+チャネルが開口し、Na+が濃度勾配と電気的勾配に従って細胞外から細胞内に急速に流入する。この Na+の流入により膜電位が約-70mVから+30mV付近まで急激に上昇(脱分極)し、これが隣接部位の脱分極を引き起こすことで興奮が伝導する。有髄線維ではランビエ絞輪間を跳躍伝導する。
- 誤り。Mg2+は多くの酵素反応の補因子として機能するが、活動電位の発生・伝導に直接関与するイオンではない。
ポイント
活動電位の脱分極相はNa+の細胞内流入、再分極相はK+の細胞外流出によって生じる。
- 覚え方のコツ: 「ナトリウムで脱分極、カリウムで再分極」→「Na入って興奮、K出て鎮静」と覚える。
- 関連知識: 局所麻酔薬(リドカインなど)はNa+チャネルを遮断して活動電位の発生を阻害し、痛覚伝導をブロックする。テトロドトキシン(フグ毒)も同様にNa+チャネルを遮断する。
- よくある間違い: Ca2+が「興奮に重要」という知識から、活動電位の伝導にもCa2+が主役と誤解しやすい。Ca2+が主役となるのはシナプス伝達(伝達物質放出)と筋収縮のカップリングである。
- 教科書では「b.活動電位」の範囲に該当する。
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