問題
暑熱環境での反応について誤っているのはどれか。
- 皮膚血管支配の交感神経活動低下
- 立毛筋支配の交感神経活動亢進
- 汗腺支配の交感神経活動亢進
- バソプレッシン分泌の増加
解答: 2(立毛筋支配の交感神経活動亢進)
解説
- 誤り。正しい記述である。暑熱環境では皮膚血管支配の交感神経活動が低下し、皮膚血管が拡張して皮膚血流量が増加する。これにより体表面からの放熱(伝導・対流・輻射)が促進される。
- 正しい(誤った記述)。暑熱環境では立毛筋支配の交感神経活動は低下する(亢進ではない)。立毛筋の収縮(鳥肌)は寒冷環境での保温反応であり、暑熱環境では立毛筋は弛緩して体毛が寝た状態となる。これにより皮膚表面の空気層が薄くなり放熱が促進される。したがって「亢進」は誤りである。
- 誤り。正しい記述である。暑熱環境では汗腺支配の交感神経(コリン作動性交感神経)活動が亢進し、発汗量が増加する。汗の蒸発により気化熱が奪われ、効率的な放熱が行われる。
- 誤り。正しい記述である。暑熱環境では発汗による水分喪失で体液の浸透圧が上昇するため、視床下部の浸透圧受容器が刺激されてバゾプレッシン(ADH)の分泌が増加する。これにより集合管での水再吸収が促進され、脱水の進行が抑制される。
ポイント
- 暑熱環境では放熱促進のため皮膚血管拡張(交感神経活動↓)・発汗亢進(交感神経活動↑)が起こり、立毛筋の交感神経活動は低下する。
- 覚え方のコツ: 暑熱時の反応は「広げる(血管拡張)・出す(発汗)・緩める(立毛筋弛緩)」と覚える。寒冷時は逆に「縮める・止める・立てる」。
- 関連知識: 温熱性発汗は交感神経支配であるが、神経伝達物質はアセチルコリン(コリン作動性)である点が例外的(通常の交感神経はノルアドレナリン作動性)。第6章(体温)と関連が深い。
- よくある間違い: 「暑熱環境では交感神経全体が抑制される」と考えがちだが、汗腺支配の交感神経は逆に亢進する。臓器ごとに交感神経の反応が異なる点に注意。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
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