問題
損傷によって運動麻痺が起こらない部位はどれか。
- 前頭葉
- 小 脳
- 内 包
- 脊髄側索
解答: 2(小 脳)
解説
- 誤り。前頭葉には一次運動野(中心前回)が存在し、損傷されると対側の随意運動麻痺(上位運動ニューロン障害)が生じる。
- 正しい。小脳は運動の協調性・タイミング・平衡の調節を担う器官であり、損傷されても運動麻痺(筋力低下)は起こらない。小脳損傷では運動失調(四肢の協調運動障害)、企図振戦(目標に近づくほど振戦が増大)、測定障害(指鼻試験の異常)、眼振、構音障害(断綴性言語)などが出現するが、随意運動そのものを遂行する能力は失われない。
- 誤り。内包(特に後脚)には錐体路(皮質脊髄路)が通過しており、損傷されると対側の片麻痺(運動麻痺)が生じる。内包出血は脳卒中の好発部位である。
- 誤り。脊髄側索には外側皮質脊髄路が走行しており、損傷されるとその高位以下の同側の運動麻痺が生じる。
ポイント
小脳損傷=運動失調(協調障害)であり、運動麻痺(筋力低下)ではない点を明確に区別する。
- 覚え方のコツ: 「小脳=”調”整役→損傷で”失調”、麻痺ではない」と機能から症状を導く。運動麻痺は錐体路の障害で起こる。
- 関連知識: 大脳基底核の障害でも運動麻痺は起こらない。パーキンソン病(黒質のドパミンニューロン変性)では振戦・固縮・無動が生じるが、これも厳密には運動麻痺ではなく運動障害である。
- よくある間違い: 小脳損傷で「運動ができなくなる」と考えて運動麻痺と混同するケース。小脳損傷では運動はできるが「正確にできない」(失調)のであり、筋力自体は保たれる。
- 教科書では「c.小脳による調節」の範囲に該当する。
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