問題
排卵を誘発するホルモンはどれか。
- プロゲステロン
- プロラクチン
- 黄体形成ホルモン
- オキシトシン
解答: 3(黄体形成ホルモン)
解説
- 誤り。プロゲステロンは排卵後に黄体から分泌されるホルモンで、子宮内膜の分泌期変化と妊娠維持に関与する。排卵を誘発する作用はない。
- 誤り。プロラクチンは下垂体前葉から分泌され、乳汁分泌を促進するホルモンである。排卵を誘発するどころか、GnRH分泌を抑制して排卵を抑制する方向に作用する。
- 正しい。黄体形成ホルモン(LH)は下垂体前葉から分泌され、排卵を誘発する。卵胞期後半に卵胞が成熟するとエストロゲン分泌が急増し、ある閾値を超えると正のフィードバック(ポジティブフィードバック)が働き、下垂体前葉からLHが大量に分泌される(LHサージ)。このLHサージが成熟卵胞の破裂(排卵)を引き起こす。排卵後の卵胞は黄体に変化してプロゲステロンを分泌する。
- 誤り。オキシトシンは下垂体後葉から分泌され、子宮収縮や射乳反射に関与するホルモンであり、排卵誘発作用はない。
ポイント
LHサージ(LHの一過性大量分泌)が排卵の直接的な引き金であり、エストロゲンの正のフィードバックによって誘導される。
- 覚え方のコツ: 「LH=Luteinizing(黄体化)Hormone」→排卵を起こして卵胞を黄体にするホルモン。「LHサージ→排卵サージ」と対にして覚える。
- 関連知識: FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵胞の発育を促進し、LHは排卵を誘発する。月経周期ではFSH→卵胞発育→エストロゲン↑→LHサージ→排卵→黄体形成→プロゲステロン分泌の流れが重要。
- よくある間違い: FSHとLHの役割を混同しやすい。FSHは「卵胞を育てる」、LHは「排卵を起こす+黄体を作る」と区別する。
- 教科書では「c.下垂体のホルモン」の範囲に該当する。
| 月経周期の相 | 主なホルモン | 卵巣の変化 |
|---|---|---|
| 卵胞期(増殖期) | FSH↑→エストロゲン↑ | 卵胞の発育・成熟 |
| 排卵期 | LHサージ | 成熟卵胞の破裂(排卵) |
| 黄体期(分泌期) | LH→プロゲステロン↑ | 黄体形成・維持 |
表: 月経周期とホルモン変動の概要
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