問題
拮抗抑制の求心路を形成するのはどれか。
- Ia 群線維
- Ib 群線維
- II群線維
- III群線維
解答: 1(Ia 群線維)
解説
- 正しい。拮抗抑制(Ia抑制・相反抑制)の求心路はIa群線維である。筋紡錘の一次終末から出たIa群求心性線維は脊髄に入り、同名筋のα運動ニューロンを直接興奮させる(伸張反射)と同時に、側枝を介してIa抑制性介在ニューロンを興奮させ、拮抗筋のα運動ニューロンを抑制する。これにより主動筋の収縮時に拮抗筋が弛緩し、円滑で効率的な運動が可能となる。
- 誤り。Ib群線維はゴルジ腱器官からの求心路であり、自原抑制(Ib抑制)に関与する。拮抗抑制には関与しない。
- 誤り。II群線維は筋紡錘の二次終末からの求心路で、筋の静的な長さの変化を検出する。拮抗抑制の主たる求心路ではない。
- 誤り。III群線維(Aδ線維に相当)は侵害受容や深部圧覚に関与する細い有髄線維であり、拮抗抑制には関与しない。
ポイント
拮抗抑制の求心路=Ia群線維であり、伸張反射と拮抗抑制は同じIa群線維から分岐して起こる一連の反射機構である。
- 覚え方のコツ: 「Ia群線維は二刀流→同名筋を興奮(伸張反射)+拮抗筋を抑制(拮抗抑制)」と1本の線維から2つの作用が同時に起こることを覚える。
- 関連知識: 拮抗抑制(相反性神経支配)はSherringtonによって提唱された概念であり、運動生理学の基本原理の一つである。臨床的にはH反射を利用した拮抗抑制の評価が痙縮の病態解析に用いられる。
- よくある間違い: 拮抗抑制と自原抑制の求心路を混同するケース。「拮抗抑制=Ia(筋紡錘)」「自原抑制=Ib(腱器官)」と区別する。
- 教科書では「a.脊髄レベルでの調節」の範囲に該当する。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント