問題
心臓の刺激伝導系で歩調取り(ペースメーカー)として働くのはどれか。
- ヒス束
- プルキンエ線維
- 右脚
- 洞房結節
解答: 4(洞房結節)
解説
- 誤り。ヒス束は房室結節から心室中隔を走る伝導路であり、房室結節からの興奮を左脚・右脚に伝える中継の役割を担う。
- 誤り。プルキンエ線維は左脚・右脚からさらに枝分かれした最終伝導路で、心室筋全体に興奮を伝播させる。自動能は最も低い。
- 誤り。右脚はヒス束から分岐して右心室に興奮を伝える伝導路であり、ペースメーカーとしては機能しない。
- 正しい。洞房結節は大静脈(上大静脈)と右心房の境界近くに位置し、心臓の正常なペースメーカー(歩調とり)として機能する。この規則正しい律動的拍動のリズムは、大静脈(上大静脈)と右心房の境界近くにある洞房結節の細胞で発生する。ここを歩調とり(ペースメーカー)あるいは歩調とり細胞(ペースメーカー細胞)と呼ぶ。房室結節も自動性を持つが、洞房結節の興奮リズムの方が速いため、正常では心臓全体は洞房結節のリズムで興奮する。
ポイント
- 洞房結節は上大静脈と右心房の境界付近に位置し、刺激伝導系の中で最も速い自発的興奮頻度を持つため、心臓全体のペースメーカーとなる。
- 覚え方のコツ: 刺激伝導系の興奮伝播順序は「洞(どう)→房(ぼう)→ヒス→脚→プル」と語呂で覚える。洞房結節が「司令塔」で、他はすべて「伝達係」と整理する。
- 関連知識: 刺激伝導系が心房と心室の間で障害されると房室ブロックが生じ、心房と心室がそれぞれ独立したリズムで収縮する。心電図ではPQ間隔の延長や脱落として検出される。
- よくある間違い: 房室結節も自動能を持つため「房室結節がペースメーカー」と誤解しやすいが、正常では洞房結節の方がリズムが速いため、洞房結節が心臓全体を支配する。
| 部位 | 役割 | 自動能(拍/分) |
|---|---|---|
| 洞房結節 | ペースメーカー(正常調律) | 60〜100 |
| 房室結節 | 興奮伝導の遅延(房室間調整) | 40〜60 |
| ヒス束 | 心房→心室への伝導路 | 30〜40 |
| 右脚・左脚 | 心室への分岐伝導 | — |
| プルキンエ線維 | 心室筋全体への興奮伝播 | 15〜30 |
表: 刺激伝導系の構成と自動能
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