問題
心臓の働きについて誤っている記述はどれか。
- 摘出した心臓は一定時間拍動する。
- ペースメーカー細胞は一定リズムで興奮する。
- 刺激伝導系の興奮は特殊心筋線維によって伝えられる。
- 心臓の収縮に自律神経の働きは不可欠である。
解答: 4(心臓の収縮に自律神経の働きは不可欠である。)
解説
- 正しい。心臓は体外に取り出しても自動的に拍動を続ける。→ これは洞房結節のペースメーカー細胞が自発的に興奮を発生する自動能を持つためである。→ 栄養液で灌流すれば長時間拍動が維持される。
- 正しい。洞房結節のペースメーカー細胞は自発的に一定リズムで脱分極する。→ この自発的興奮が心臓全体のリズムを決定しており、正常では60〜100回/分の頻度で興奮する。
- 正しい。刺激伝導系は特殊心筋線維(特殊心筋)によって構成される。→ 洞房結節・房室結節・ヒス束・左脚と右脚・プルキンエ線維が含まれ、興奮を短時間で心臓全体に伝える。
- 誤り。心臓の収縮に自律神経の働きは不可欠ではない。→ 心臓は洞房結節のペースメーカー細胞が自発的に興奮を発生する自動能を持つため、自律神経がなくても拍動を続ける。→ 自律神経(交感神経・迷走神経)は心拍数や収縮力の「調節」に関与するが、拍動そのものには不可欠ではない。
ポイント
- 心臓は自動能を持ち、自律神経なしでも拍動できる。自律神経は心拍数・収縮力の調節役である。
- 覚え方のコツ: 「摘出しても動く=自律神経なしでOK」とセットで覚える。
- 関連知識: 心臓移植後は自律神経が切断されるが心臓は拍動を続ける。ペースメーカー植え込みも自動能の原理を応用している。
- よくある間違い: 「自律神経が心臓を動かしている」と思い込むこと。自律神経は調節役であり、拍動の発生源は洞房結節である。
| 部位 | 役割 | 自動能(拍/分) |
|---|---|---|
| 洞房結節 | ペースメーカー(正常調律) | 60〜100 |
| 房室結節 | 興奮伝導の遅延(房室間調整) | 40〜60 |
| ヒス束 | 心房→心室への伝導路 | 30〜40 |
| 右脚・左脚 | 心室への分岐伝導 | — |
| プルキンエ線維 | 心室筋全体への興奮伝播 | 15〜30 |
表: 刺激伝導系の構成と自動能
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