問題
尿量を増やすのはどれか。
- 血液の浸透圧の上昇
- バソプレッシン分泌の増加
- 細胞外液量の増加
- 大動脈弓圧受容器活動の低下
解答: 3(細胞外液量の増加)
解説
- 誤り。血液浸透圧の上昇は視床下部の浸透圧受容器を刺激し、バゾプレッシン(ADH)分泌を促進する。ADHは集合管での水再吸収を増加させるため、尿量は減少する。
- 誤り。バゾプレッシン(ADH)分泌の増加は集合管のアクアポリン2の発現を増加させ、水の再吸収を促進する。その結果、尿は濃縮され尿量は減少する。
- 正しい。細胞外液量が増加すると循環血液量が増加し、以下の複数の機構により尿量が増加する。(1)心房壁の伸展により容量受容器(低圧受容器)が刺激され、バゾプレッシン分泌が抑制される(水再吸収↓)。(2)心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が分泌されNa+排泄が促進される。(3)腎血流量の増加によりGFRが上昇する。(4)レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が抑制されNa+再吸収が減少する。
- 誤り。圧受容器活動の低下(血圧低下時)は交感神経活動を反射的に増加させ、腎血管収縮→腎血流量減少→GFR低下→尿量減少の方向に働く。また、レニン分泌が促進されアルドステロンによるNa+再吸収も増加する。
ポイント
- 細胞外液量の増加は、ADH抑制・ANP分泌・RAAS抑制・腎血流増加の複数機構により尿量を増加させる。
- 覚え方のコツ: 尿量の増減は「水が余れば出す、足りなければ溜める」の原則で考える。細胞外液量↑→水が余る→尿量↑、浸透圧↑→水が足りない→ADH↑→尿量↓。
- 関連知識: 尿量の調節にはADH、アルドステロン、ANPの3つのホルモンが中心的役割を果たす。利尿薬は各部位での再吸収を阻害して尿量を増加させる。
- よくある間違い: 「浸透圧上昇→尿量増加」と混同しやすいが、浸透圧上昇はADH分泌を促進し尿量は減少する。浸透圧利尿(糖尿病など)は別の機序である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 要因 | 尿量への影響 | 機序 |
|---|---|---|
| 細胞外液量↑ | 増加 | ADH抑制、ANP分泌、RAAS抑制 |
| 血液浸透圧↑ | 減少 | ADH分泌↑→水再吸収↑ |
| ADH分泌↑ | 減少 | 集合管での水再吸収↑ |
| 圧受容器活動↓ | 減少 | 交感神経↑→腎血流↓ |
| ANP分泌↑ | 増加 | Na+排泄↑→水排泄↑ |
表: 尿量を増減させる主な要因
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