問題
尿細管で分泌される物質はどれか。
- ナトリウムイオン
- ブドウ糖
- アンモニア
- カルシウムイオン
解答: 3(アンモニア)
解説
- 誤り。Na+は近位尿細管を中心にほぼ全尿細管で再吸収される物質であり、尿細管から分泌されることはない。
- 誤り。ブドウ糖は近位尿細管のSGLT(Na+-グルコース共輸送体)により再吸収される物質であり、分泌はされない。
- 正しい。アンモニア(NH3)は尿細管上皮細胞(主に近位尿細管と集合管)でグルタミンの脱アミノ反応により産生され、管腔内に分泌される。分泌されたNH3はH+と結合してNH4+を形成し、尿中に排泄される。この過程は体液の酸塩基平衡維持に不可欠であり、アシドーシス時にはNH3産生が増加して酸排泄が促進される適応反応が起こる。Na+・ブドウ糖・Ca2+はいずれも再吸収される物質であり、分泌物質ではない。
- 誤り。Ca2+は主に近位尿細管とヘンレの太い上行脚で再吸収される物質である。遠位尿細管でのCa2+再吸収は副甲状腺ホルモン(PTH)により促進される。分泌される物質ではない。
ポイント
- アンモニア(NH3)は尿細管で分泌される代表的物質であり、NH4+として酸を排泄し酸塩基平衡を維持する。
- 覚え方のコツ: 「尿細管分泌=NH3・H+・K+・PAH・尿酸」と5つセットで覚える。いずれも「体から排出する方向(血液→管腔)」に移動する。
- 関連知識: Ca2+の再吸収はPTH(副甲状腺ホルモン)により遠位尿細管で促進される。PTHは骨からのCa2+遊離、腸管からのCa2+吸収促進(ビタミンD活性化を介して)とともにCa2+の恒常性を維持する。
- よくある間違い: 「K+は分泌のみ」と思いがちだが、K+は近位尿細管で再吸収された後、遠位尿細管・集合管でアルドステロンの作用により分泌される。再吸収と分泌の両方が行われる物質である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 物質 | 尿細管での主な動態 | 調節因子 |
|---|---|---|
| Na+ | 再吸収(約99%) | アルドステロン |
| ブドウ糖 | 再吸収(ほぼ100%) | SGLT(Tmあり) |
| Ca2+ | 再吸収 | PTH |
| NH3 | 分泌 | アシドーシスで増加 |
| H+ | 分泌 | 酸塩基平衡 |
| K+ | 再吸収+分泌 | アルドステロン |
表: 尿細管における主な物質の動態と調節因子
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