問題
尿細管で再吸収されない物質はどれか。
- ブドウ糖
- アミノ酸
- 塩素イオン
- クレアチニン
解答: 4(クレアチニン)
解説
- 誤り。ブドウ糖は近位尿細管のNa+-グルコース共輸送体(SGLT2、SGLT1)により正常時100%再吸収される。
- 誤り。アミノ酸は近位尿細管で能動輸送(Na+との共輸送)によりほぼ100%再吸収される。
- 誤り。塩素イオン(Cl-)は近位尿細管、ヘンレのループ上行脚、遠位尿細管の各部位で再吸収され、体液の電解質バランス維持に重要な役割を果たす。
- 正しい。クレアチニンは筋肉中のクレアチンリン酸から非酵素的に産生される代謝最終産物である。糸球体で自由に濾過された後、尿細管ではほとんど再吸収されず、むしろ一部は近位尿細管から分泌される。このため血中クレアチニン濃度とクレアチニンクリアランスは糸球体濾過量(GFR)の推定指標として臨床で広く用いられる。1日の産生量は筋肉量に比例しほぼ一定であるため、腎機能の良い指標となる。
ポイント
- クレアチニンは糸球体で濾過された後、尿細管でほとんど再吸収されないため、GFRの推定指標として臨床で広く用いられる。
- 覚え方のコツ: 「クレアチニン=再吸収されない=GFRの指標」とセットで覚える。同様に再吸収されない物質としてイヌリン(GFR測定のゴールドスタンダード)も重要。
- 関連知識: クリアランスの概念と直結する。クレアチニンクリアランス≒GFRであり、腎機能評価の基本である。
- よくある間違い: クレアチニンと「クレアチン」「クレアチンリン酸」を混同しやすい。クレアチンリン酸は筋収縮のエネルギー源、クレアチニンはその代謝産物である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 物質 | 濾過 | 再吸収 | 分泌 | 尿中排泄 |
|---|---|---|---|---|
| ブドウ糖 | あり | ほぼ100% | なし | 正常ではなし |
| アミノ酸 | あり | ほぼ100% | なし | 正常ではなし |
| クレアチニン | あり | ほぼなし | 一部あり | 多い(GFR指標) |
| 尿素 | あり | 約50% | なし | あり |
| Na+ | あり | 約99% | なし | 少量 |
表: 主な物質の腎での動態比較
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント