問題
小脳の機能として誤っているのはどれか。
- 協調運動の調節
- 身体の平衡保持
- 熟練した運動の記憶
- 情動行動の発現
解答: 4(情動行動の発現)
解説
- 正しい。小脳は随意運動の協調性を調節し、滑らかで正確な運動を可能にする。小脳障害では測定障害(ディスメトリア)や運動分解が生じる。
- 正しい。小脳の前庭小脳(片葉小節葉)は前庭器からの情報を処理し、身体の平衡保持・姿勢制御に関与する。障害では体幹失調や歩行時の動揺が生じる。
- 正しい。小脳は運動学習に関与し、反復練習により獲得された熟練した運動パターン(小脳性運動記憶)を記憶する。自転車の乗り方や楽器の演奏などの手続き記憶に関係する。
- 誤り。情動行動の発現は大脳辺縁系(扁桃体、帯状回など)や視床下部の機能であり、小脳の機能ではない。小脳の3大機能は「協調運動の調節」「身体の平衡保持」「筋緊張の調節」であり、小脳障害では運動失調、企図振戦、測定障害、構音障害(断綴性言語)、眼振などが出現する。
ポイント
小脳の機能は「協調運動の調節・平衡維持・筋緊張の調節・運動学習」であり、情動行動は大脳辺縁系・視床下部の機能である。
- 覚え方のコツ: 「小脳=運動の”調整役”」と覚える。小脳自体は運動を起こさないが、運動の滑らかさ・正確さ・バランスを調整する。「情動=辺縁系」と区別する。
- 関連知識: 問640(視床下部の機能)、問667(大脳辺縁系)とセットで学習する。小脳障害の臨床症状として企図振戦(目標に近づくほど振戦が増大)は頻出である。
- よくある間違い: 小脳の「運動学習」と大脳辺縁系(海馬)の「宣言的記憶」を混同しやすい。小脳は手続き記憶(体で覚える記憶)、海馬はエピソード記憶・宣言的記憶に関与する。
- 教科書では「b.大脳辺縁系」の範囲に該当する。
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