問題
寒さへの適応で最も遅く起きる反応はどれか。
- 皮膚血管の収縮
- 立毛筋の収縮
- ふるえ産熱
- 代謝の亢進
解答: 4(代謝の亢進)
解説
- 誤り。皮膚血管の収縮は交感神経を介して即座に起こる最も迅速な寒冷反応であり、放熱抑制に働く。
- 誤り。立毛筋の収縮も交感神経を介して即座に起こる反応であり、皮膚血管収縮とほぼ同時に生じる。
- 誤り。ふるえ産熱は運動神経を介した骨格筋の不随意的収縮であり、血管収縮・立毛筋収縮に続いて比較的早期に起こる。
- 正しい。寒冷適応反応は段階的に起こる。最初に交感神経を介した皮膚血管収縮と立毛筋収縮が即座に起こり放熱を抑制する。次に運動神経を介したふるえ産熱が起こる。最も遅いのは甲状腺ホルモンによる代謝亢進であり、これは視床下部-下垂体-甲状腺軸を介するため数時間から数日単位で作用する長期的適応反応である。カテコールアミンによる代謝亢進もあるが、甲状腺ホルモンに比べると早い。
ポイント
- 寒冷適応の時間的順序は「皮膚血管収縮・立毛筋収縮(即座)→ふるえ産熱(数分)→ホルモンによる代謝亢進(数時間〜数日)」である。
- 覚え方のコツ: 「ケチふた」= 血管収縮→ちぢむ(立毛筋)→ふるえ→代謝。神経反応(速い)→ホルモン反応(遅い)の順と覚える。
- 関連知識: 甲状腺機能低下症では寒冷不耐性が出現する。これは代謝亢進による長期的体温維持が障害されるためである。
- よくある間違い: ふるえ産熱を最も遅い反応と誤解しやすいが、ふるえは運動神経を介するため比較的速い反応である。
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