問題
妊娠を維持継続させるホルモンはどれか。
- 卵胞ホルモン
- 黄体ホルモン
- アンドロゲン
- コルチコステロン
解答: 2(黄体ホルモン)
解説
- 誤り。卵胞ホルモン(エストロゲン)は子宮内膜の増殖や二次性徴の発現に関与するが、妊娠維持の中心的役割はプロゲステロンが担う。
- 正しい。黄体ホルモン(プロゲステロン)は排卵後の黄体および妊娠中の胎盤から分泌され、妊娠の維持に不可欠なホルモンである。子宮内膜を分泌期に変化させて受精卵の着床を促進し、子宮筋の収縮を抑制して妊娠を維持する。また基礎体温を約0.3〜0.5℃上昇させる作用も持つ。妊娠初期は黄体が主な分泌源であるが、妊娠約10週以降は胎盤がプロゲステロンの主要な供給源となる。
- 誤り。アンドロゲンは男性ホルモンの総称であり、精子形成や二次性徴に関与するが、妊娠維持には直接関与しない。
- 誤り。コルチコステロンは副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドの一種であり、妊娠維持には直接関与しない。
ポイント
プロゲステロンは「妊娠を守るホルモン」であり、子宮内膜の分泌期変化・子宮収縮抑制・基礎体温上昇という3つの作用で妊娠を支える。
- 覚え方のコツ: 「プロ(pro=前に)ゲステ(gestation=妊娠)ロン」→ 妊娠を前に進めるホルモンと語源から覚える。
- 関連知識: 妊娠初期の黄体機能不全はプロゲステロン不足による流産の原因となり、臨床ではプロゲステロン補充療法が行われる。hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は妊娠初期に黄体を維持してプロゲステロン分泌を持続させる。
- よくある間違い: エストロゲンも妊娠中に分泌されるが、妊娠維持の中心的役割を担うのはプロゲステロンである。両者の役割を混同しないこと。
- 教科書では「b.女性生殖器」の範囲に該当する。
| ホルモン | 主な分泌源 | 妊娠における役割 |
|---|---|---|
| プロゲステロン | 黄体→胎盤 | 妊娠維持(子宮収縮抑制、内膜分泌期変化) |
| エストロゲン | 卵胞→胎盤 | 子宮内膜増殖、子宮血流増加 |
| hCG | 絨毛(胎盤) | 黄体維持、妊娠反応の指標 |
| オキシトシン | 下垂体後葉 | 分娩時の子宮収縮促進 |
表: 妊娠に関わる主要ホルモン
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント