問題
大脳皮質運動野について誤っている記述はどれか。
- 前頭葉にある。
- 随意運動に関与する。
- 反対側の身体運動を支配する。
- 巧緻運動をつかさどる領域は狭い。
解答: 4(巧緻運動をつかさどる領域は狭い。)
解説
- 誤り。大脳皮質運動野(一次運動野)は前頭葉の中心前回に位置しており、この記述は正しい。
- 誤り。一次運動野は随意運動の最終的な指令を出す中枢であり、皮質脊髄路(錐体路)を介して脊髄前角の運動ニューロンに指令を送る。
- 誤り。皮質脊髄路の大部分は延髄の錐体で交叉(錐体交叉)するため、右半球の運動野は左半身を、左半球の運動野は右半身を支配する。
- 正しい。巧緻運動をつかさどる部位(手指や口唇・舌など)は、一次運動野において非常に広い領域を占めている。ペンフィールドの運動ホムンクルスでは手や顔が不釣り合いに大きく描かれており、精密な運動制御が必要な部位ほど広い皮質領域が割り当てられている。したがって「狭い」は誤りであり、正しくは「広い」である。
ポイント
巧緻運動を担う手指・口唇・舌の運動野領域は広く、体幹や四肢近位部は狭い。
- 覚え方のコツ: 「巧緻=広い」「粗大=狭い」と覚える。ペンフィールドのホムンクルスで手と顔が巨大に描かれる絵をイメージする。
- 関連知識: 体性感覚野(中心後回)にも同様の体部位局在があり、二点識別閾が小さい部位(指先・口唇)ほど広い皮質領域を占める。運動野の障害では対側の上位運動ニューロン障害(痙性麻痺)が生じる。
- よくある間違い: 「巧緻運動は細かい→領域は小さい」と誤解すること。細かい運動ほど多くの皮質ニューロンが必要であり、広い領域を占める。
- 教科書では「c.新皮質」の範囲に該当する。
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