問題
大脳皮質連合野の働きでないのはどれか。
- 情報の統合
- 情報の判断
- 本能行動の発現
- 意思の決定
解答: 3(本能行動の発現)
解説
- 誤り。連合野は視覚・聴覚・体性感覚など異なる感覚モダリティからの情報を統合して、認知や状況把握を成立させる。
- 誤り。連合野は統合された情報に基づいて状況を判断し、適切な行動を選択する高次機能を持つ。
- 正しい。本能行動(摂食・性行動・闘争・逃走など)の発現は大脳辺縁系(扁桃体・海馬など)と視床下部の機能であり、大脳皮質連合野の働きではない。連合野は理性的な高次精神活動(情報の統合・判断・意思決定・思考・言語・計画立案など)を担い、むしろ本能的な行動を抑制・制御する方向に機能する。前頭前野損傷では脱抑制が生じ、衝動的な行動が増加することからもこの点が裏づけられる。
- 誤り。前頭連合野(前頭前野)は意思決定や行動計画の立案、実行機能に特に重要な役割を果たす。
ポイント
連合野は情報の統合・判断・意思決定を担い、本能行動の発現は大脳辺縁系と視床下部の機能である。
- 覚え方のコツ: 「連合野=理性の脳」「辺縁系=本能の脳」と対比して覚える。連合野は「考える」、辺縁系は「感じる・本能的に動く」と整理する。
- 関連知識: 前頭前野は発達が最も遅い脳領域であり、ヒトで特に発達している。前頭前野の障害では人格変化、判断力低下、計画性の欠如が見られる(フィネアス・ゲージの症例が有名)。
- よくある間違い: 連合野が「すべての高次脳機能」を担うと考え、本能行動も含めてしまうこと。本能行動は辺縁系の機能であり、連合野はむしろ本能を制御・調整する。
- 教科書では「c.新皮質」の範囲に該当する。
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