問題
固有心筋について誤っているのはどれか。
- ギャップ結合がある。
- 不随意筋である。
- 横紋筋である。
- 強縮する筋である。
解答: 4(強縮する筋である。)
解説
- 正しい。固有心筋には介在板にギャップ結合があり、隣接する心筋細胞間で電気的興奮が直接伝達される。これにより心筋は機能的合胞体として同期的に収縮する。
- 正しい。心筋は自律神経(交感神経・副交感神経)の支配を受ける不随意筋であり、意志によって制御することはできない。
- 正しい。心筋は横紋構造(サルコメア構造)を持つ横紋筋である。骨格筋と同様にアクチンとミオシンの規則的配列による横紋が観察される。
- 誤り。固有心筋(作業心筋)は強縮しない。心筋の活動電位持続時間が非常に長く(約200-300ms)、絶対不応期が収縮期のほぼ全体をカバーするため、次の刺激が加わっても収縮の重畳(加重)が起こらず強縮は生じない。これは心臓が拡張期に確実に血液を充填するために不可欠な性質である。骨格筋は不応期が短いため反復刺激で加重が起こり強縮する。
ポイント
心筋は活動電位の持続時間が長く絶対不応期が長いため強縮せず、常に単収縮を繰り返す。
- 覚え方のコツ: 「心臓が強縮したら血液を吸えなくなる」→ 強縮しないのは心臓が拡張期に血液を充填するための必然的な仕組みと理解する。
- 関連知識: 心筋の活動電位はプラトー相(Ca2+流入による持続的脱分極)を持つことが特徴で、これが長い不応期の原因となる。骨格筋の活動電位は1-2ms程度と短い。
- よくある間違い: 心筋を「横紋筋ではない」と誤解しやすいが、心筋は横紋筋である。ただし骨格筋と異なり不随意筋で、強縮しない。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
| 特徴 | 骨格筋 | 心筋 | 平滑筋 |
|---|---|---|---|
| 横紋 | あり | あり | なし |
| 随意/不随意 | 随意筋 | 不随意筋 | 不随意筋 |
| 強縮 | する | しない | する |
| ギャップ結合 | なし | あり(介在板) | あり |
| 支配神経 | 体性神経 | 自律神経 | 自律神経 |
表: 筋の種類の比較
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