問題
嚥下運動について誤っている記述はどれか。
- 中枢は延髄にある。
- 口腔相は随意運動である。
- 咽頭相は随意運動である。
- 食道相は反射運動である。
解答: 3(咽頭相は随意運動である。)
解説
- 正しい。第2、3相は延髄の嚥下中枢によって調節される反射運動である。嚥下中枢は延髄に存在する。
- 正しい。第1相は随意運動。口腔相では舌を使って食塊を咽頭に送る随意運動が行われる。
- 誤り。咽頭相(第2相)は随意運動ではなく反射運動である。食塊が咽頭粘膜に触れることによって起こる反射運動であり、延髄の嚥下中枢によって調節される。軟口蓋の挙上により鼻腔が、喉頭蓋の閉鎖により気管が、舌根の押し上げにより口腔が塞がれ、咽頭内圧が上昇して食塊は食道へ送られる。この間1〜2秒、呼吸は抑えられる。
- 正しい。食道相(第3相)は食道の蠕動運動による反射運動であり、延髄の嚥下中枢によって調節される。
ポイント
- 嚥下運動は3相に分けられ、第1相(口腔相)のみが随意運動、第2相(咽頭相)と第3相(食道相)は延髄の嚥下中枢が調節する反射運動である。
- 覚え方のコツ: 「口は意志で動かせる(随意)が、のど(咽頭)から先は自動(反射)」と覚える。第1相だけが随意運動である。
- 関連知識: 咽頭相で喉頭蓋が閉鎖されるのは誤嚥(食物の気管内流入)を防ぐためである。嘔吐時にも喉頭蓋は閉鎖して吐物の気管内流入を防ぐ。
- よくある間違い: 「咽頭相」と「食道相」の区別を曖昧にしやすい。咽頭相は食塊が咽頭粘膜に触れて起こる反射、食道相は食道の蠕動運動による反射と区別する。
| 相 | 別名 | 運動の種類 | 機序 |
|---|---|---|---|
| 第1相 | 口腔相 | 随意運動 | 舌で食塊を咽頭に送る |
| 第2相 | 咽頭相 | 反射運動 | 嚥下反射により食塊が食道に送られる(1〜2秒、呼吸停止) |
| 第3相 | 食道相 | 反射運動 | 食道の蠕動運動により食塊が胃に移送される |
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