問題
呼吸運動を促進するのはどれか。
- 体液の浸透圧上昇
- 体液のpH低下
- 動脈血酸素分圧の上昇
- 動脈血二酸化炭素分圧の低下
解答: 2(体液のpH低下)
解説
- 誤り。体液の浸透圧上昇は呼吸促進には直接関与しない。→ 浸透圧の変化は主にバソプレシン分泌の調節や飲水行動に関わる機序であり、呼吸中枢への直接的刺激とはならない。
- 正しい。体液のpH低下(H⁺濃度の上昇)は呼吸運動を促進する。→ 末梢化学受容器(頸動脈小体・大動脈小体)がpH低下を感知し、舌咽神経・迷走神経を介して延髄の呼吸中枢に情報を伝え、呼吸を促進させる。→ また延髄の中枢性化学受容器もH⁺増加に反応して呼吸中枢を刺激する。CO₂排出を増やしてpHを正常化する代償反応である。
- 誤り。動脈血O₂分圧の上昇は呼吸運動を抑制する方向に作用する。→ O₂分圧が高いと末梢化学受容器への刺激が減少し、呼吸中枢の興奮が抑えられる。呼吸促進にはO₂分圧の「低下」が必要である。
- 誤り。動脈血CO₂分圧の低下は呼吸運動を抑制する方向に作用する。→ CO₂分圧が低いと化学受容器への刺激が減少し、呼吸中枢の活動が低下する。呼吸促進にはCO₂分圧の「上昇」が必要である。
ポイント
- 呼吸促進の3大刺激は「CO₂分圧上昇」「O₂分圧低下」「pH低下」であり、いずれも化学受容器を介して呼吸中枢を刺激する。
- 覚え方のコツ: 「CO₂↑・O₂↓・pH↓ → 呼吸促進」と3つセットで覚える。逆は抑制。
- 関連知識: チェーン・ストークス呼吸はこの化学受容器を介した呼吸調節の遅延・不安定化により生じる。
- よくある間違い: 「O₂分圧上昇」と「CO₂分圧低下」はどちらも呼吸を”抑制”する因子であり、促進因子と取り違えやすい。
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