問題
呼吸について誤っている記述はどれか。
- ヘモグロビンと酸素の結合能は炭酸ガス分圧が低い程高まる。
- 胸腔内庄は陰圧である。
- 肺胞の酸素分圧は動脈血の酸素分圧より低い。
- 腹式呼吸の吸気時に横隔膜は収縮する。
解答: 3(肺胞の酸素分圧は動脈血の酸素分圧より低い。)
解説
- 正しい。CO₂分圧が低い環境ではヘモグロビンのO₂結合能(親和性)が高まる。→ 酸素解離曲線が示すように、CO₂分圧が増加するとO₂結合能は減少する。→ 肺ではCO₂分圧が低いためHbはO₂と結合しやすく、組織ではCO₂分圧が高いためHbからO₂が遊離しやすい。
- 正しい。胸腔内圧は常に大気圧より低い陰圧に保たれている。→ この陰圧により、肺は弾性線維の収縮力に逆らって引き延ばされた状態を維持できる。→ 吸息時にはさらに陰圧が増大して肺が拡張する。
- 誤り。肺胞のO₂分圧(約100mmHg)は動脈血のO₂分圧(約95mmHg)より「高い」。→ O₂は分圧差により肺胞気から血液へ拡散するため、供給元の肺胞の方が高い分圧でなければガス交換が成立しない。→ 「低い」という記述は逆である。
- 正しい。腹式呼吸(横隔膜呼吸)の吸気時には横隔膜が収縮して下降し、胸腔が拡大する。→ 安静時には主として横隔膜呼吸が関与する。
ポイント
- 肺胞O₂分圧(約100mmHg)> 動脈血O₂分圧(約95mmHg)。O₂は高分圧から低分圧へ拡散するため、肺胞の方が必ず高い。
- 覚え方のコツ: ガス分圧は「供給元が高い」と覚える。O₂は肺胞→血液なので肺胞が高く、CO₂は静脈血→肺胞なので静脈血が高い。
- 関連知識: 気胸が生じると胸腔内圧が大気圧に近づき、肺は弾性により虚脱する。
- よくある間違い: 「肺胞と動脈血のO₂分圧はほぼ同じだから肺胞の方が低いかもしれない」と考えてしまうこと。拡散の原理上、肺胞の方が必ず高い。
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