問題
味覚について正しいのはどれか。
- 味蕾で感受される。
- 求心性線維は舌下神経である。
- 大脳皮質の体性感覚野へ送られる。
- 辛味は5つの基本味の一つである。
解答: 1(味蕾で感受される。)
解説
- 正しい。味覚は味蕾で感受される。味蕾は舌の乳頭(有郭乳頭・葉状乳頭・茸状乳頭)や軟口蓋・咽頭に分布する味覚受容装置であり、内部の味細胞が化学物質を受容して味覚情報を生成する。1つの味蕾には約50〜100個の味細胞が含まれ、味孔を通じて口腔内の味物質と接触する。成人の味蕾の総数は約5,000〜10,000個とされる。
- 誤り。味覚の求心性線維は顔面神経(鼓索神経:舌の前方2/3)、舌咽神経(舌の後方1/3)、迷走神経(喉頭蓋周辺)である。舌下神経(XII)は舌の運動を支配する純運動神経であり、味覚には関与しない。
- 誤り。味覚情報は大脳皮質の味覚野(島皮質・前頭弁蓋部)に送られる。体性感覚野(中心後回)は触覚・圧覚・温度覚・痛覚などの体性感覚を処理する領域であり、味覚の投射先ではない。
- 誤り。辛味は5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)には含まれない。辛味は三叉神経の自由神経終末が感知する痛覚(化学的侵害刺激)であり、味覚ではなく体性感覚に分類される。
ポイント
味覚は味蕾の味細胞で受容され、顔面神経・舌咽神経・迷走神経を介して島皮質の味覚野に伝えられる。
- 覚え方のコツ: 「味蕾(みらい)の味細胞で未来の味を感じる」→味覚受容器は味蕾。「舌下神経=”舌の下働き(運動)”」→運動神経であり味覚とは無関係。「辛味は”から(体)い”→体性感覚(痛覚)」と覚える。
- 関連知識: 問874(基本味)、問876(味覚の神経支配)、問877(塩味と基本味)と共通テーマである。味覚野は島皮質であり、体性感覚野とは異なる点を明確に区別する。糸状乳頭は味蕾を含まない唯一の舌乳頭である。
- よくある間違い: 舌下神経を味覚の求心路と誤答しやすい。舌下神経は純運動神経であり、味覚を伝える顔面神経・舌咽神経とは全く別の機能を持つ。また辛味を基本味と誤解しやすいが、辛味は痛覚である。
- 教科書では「b.味覚の受容器と伝導路」の範囲に該当する。
| 項目 | 正しい知識 | よくある誤答 |
|---|---|---|
| 味覚受容器 | 味蕾(味細胞) | 味蕾の基底細胞 |
| 求心性神経 | 顔面・舌咽・迷走神経 | 舌下神経 |
| 大脳皮質の投射先 | 味覚野(島皮質) | 体性感覚野 |
| 基本味 | 甘・塩・酸・苦・旨の5味 | 辛味を含む |
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント