問題
化学シナプス伝達の特徴として誤っている記述はどれか。
- 一方向性伝達である。
- シナプス遅延が100ms ある。
- 化学伝達物質によって興奮性が決まる。
- 疲労しやすい。
解答: 2(シナプス遅延が100ms ある。)
解説
- 誤り。化学シナプス伝達は、シナプス前終末から伝達物質が放出されシナプス後膜の受容体に結合するため、伝達はシナプス前→シナプス後の一方向性となる。
- 正しい。化学シナプスのシナプス遅延は約0.5〜1msであり、100msは大幅に過大な値である。シナプス遅延は伝達物質の放出(シナプス小胞のエキソサイトーシス)・シナプス間隙の拡散・受容体への結合・イオンチャネルの開閉に要するごくわずかな時間であり、1ms程度で完了する。多シナプス反射では遅延が加算されて反射時間が長くなる。
- 誤り。シナプスでの興奮性・抑制性は放出される化学伝達物質の種類とシナプス後膜の受容体により決定される。グルタミン酸は興奮性、GABAやグリシンは抑制性に作用する。
- 誤り。シナプス伝達は神経伝達物質の枯渇や受容体の脱感作により、反復刺激に対して伝達効率が低下する(シナプス疲労)。これはシナプス伝達の重要な特徴である。
ポイント
シナプス遅延は約0.5〜1msであり、100msではない。シナプス伝達の4大特徴は「一方向性・シナプス遅延・化学伝達物質依存性・疲労しやすい」である。
- 覚え方のコツ: シナプス伝達の特徴は「一(一方向性)・遅(遅延)・化(化学伝達物質)・疲(疲労しやすい)」の4文字で覚える。遅延は「約1ms」と数値で記憶する。
- 関連知識: 神経線維の伝導にはシナプス遅延のような遅れはない。反射の潜時(反応時間)が長い反射ほどシナプスの数が多い(多シナプス反射)。電気シナプス(ギャップ結合)にはシナプス遅延がほとんどなく、両方向性の伝達が可能。
- よくある間違い: 神経伝導の特徴とシナプス伝達の特徴を混同すること。「伝導=両方向・不減衰・絶縁」「伝達=一方向・遅延あり・疲労しやすい」と区別する。
- 教科書では「c.シナプス伝達」の範囲に該当する。
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