問題
動脈血中の濃度が上昇すると呼吸運動を促進するのはどれか。
- ヘモグロビン
- 酸素
- 水素イオン
- 重炭酸イオン
解答: 3(水素イオン)
解説
- 誤り。ヘモグロビンは赤血球内の酸素運搬タンパク質である。→ 血中濃度の上昇は酸素運搬能力を高めるが、呼吸運動を直接促進する化学刺激にはならない。
- 誤り。酸素濃度の上昇は化学受容器への刺激を減少させる。→ O2分圧の「低下」が化学受容器を刺激して呼吸を促進するのであり、上昇は呼吸を抑制する方向に作用する。
- 正しい。動脈血中のH+濃度が上昇する(pHが低下する)と呼吸運動が促進される。→ 頸動脈小体や大動脈小体の末梢化学受容器がH+濃度上昇を感知し、舌咽神経と迷走神経を介して延髄の呼吸中枢を刺激する。→ 呼吸促進によりCO2排出が増加し、H+が減少してpHが正常化する(代償機構)。
- 誤り。重炭酸イオン(HCO3-)はpHを上昇させる方向に働く緩衝物質である。→ 濃度上昇はアルカローシスの方向であり、呼吸は抑制される。
ポイント
- 動脈血中のH+濃度上昇(pH低下)・CO2分圧上昇・O2分圧低下が化学受容器を刺激して呼吸を促進する。
- 覚え方のコツ: 「化学受容器の3大刺激=H+増・CO2増・O2減」と3つセットで覚える。いずれも”体にとって危険な状態”を示すシグナルである。
- 関連知識: 化学受容器からの情報が呼吸中枢と循環中枢の両方に伝えられ、呼吸促進に加えて心拍数増加・血圧上昇も起こること。
- よくある間違い: O2「低下」で呼吸促進されるのに対し、H+やCO2は「上昇」で呼吸促進される。O2だけ刺激の方向が逆であることに注意する。
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