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副交感神経活動に対する応答で正しいのはどれか

問題

副交感神経活動に対する応答で正しいのはどれか。

  1. 発汗の促進
  2. 気管支筋の弛緩
  3. 心収縮力の増加
  4. 直腸平滑筋の収縮

解答: 4(直腸平滑筋の収縮)

解説

  1. 誤り。発汗の促進は交感神経の作用である。汗腺を支配する交感神経の節後線維は例外的にアセチルコリン(コリン作動性)を神経伝達物質とするが、副交感神経ではない。
  1. 誤り。気管支筋の弛緩(拡張)は交感神経のβ2受容体刺激による作用である。副交感神経(迷走神経)はムスカリン受容体を介して気管支筋を収縮させる。
  1. 誤り。心収縮力の増加は交感神経のβ1受容体刺激による作用である。副交感神経(迷走神経)はムスカリン受容体(M2)を介して心拍数を低下させ、心房の収縮力も低下させる。
  1. 正しい。副交感神経活動により直腸平滑筋が収縮する。骨盤神経(仙髄S2〜S4由来の副交感神経)の興奮によりアセチルコリンが放出され、直腸平滑筋のムスカリン受容体に作用して収縮を引き起こす。これにより直腸内圧が上昇し、同時に内肛門括約筋の弛緩も起こることで排便が促進される。副交感神経は消化管全般の運動・分泌を促進する方向に作用し、「安静と消化(rest and digest)」の状態を形成する。

ポイント

副交感神経は「安静と消化」の状態を促進し、消化管運動の亢進・消化液分泌の促進・心拍数の低下・縮瞳などを引き起こす。

  • 覚え方のコツ: 副交感神経の作用は「食後にリラックスした体」をイメージする。心臓はゆっくり(心拍数低下)・胃腸は活発に動く(消化管収縮・分泌促進)・瞳孔は小さく(縮瞳)・気管支は狭くなる(気管支収縮)。すべて消化吸収と休息に有利な方向に働く。
  • 関連知識: 副交感神経の節前線維の起始は脳幹(動眼神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経)と仙髄(S2〜S4)であり、「頭仙系」と呼ばれる。節前線維・節後線維ともにアセチルコリン作動性で、効果器のムスカリン受容体に作用する。汗腺を支配するのは交感神経のコリン作動性線維であり、副交感神経ではないことに注意が必要である。
  • よくある間違い: 「発汗=アセチルコリンで促進=副交感神経」と誤解しやすいが、汗腺を支配するのは交感神経の節後線維(例外的にコリン作動性)であり、副交感神経は汗腺を支配しない。
  • 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
器官 副交感神経の作用 交感神経の作用
瞳孔括約筋 収縮(縮瞳)
心臓 心拍数低下・収縮力低下 心拍数増加・収縮力増加
気管支筋 収縮 弛緩(拡張)
消化管平滑筋 収縮(運動促進) 弛緩(運動抑制)
直腸平滑筋 収縮(排便促進) 弛緩
排尿筋 収縮(排尿促進) 弛緩(蓄尿)
汗腺 ー(支配なし) 促進(コリン作動性)

表: 副交感神経と交感神経の作用比較

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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