問題
免疫反応について誤っている記述はどれか。
- B細胞は液性免疫に関与する。
- B細胞は形質細胞に分化する。
- キラーT細胞はウイルス感染細胞を破壊する。
- ヘルパーT細胞は異物を貪食する。
解答: 4(ヘルパーT細胞は異物を貪食する。)
解説
- 正しい。B細胞は形質細胞に分化して抗体を産生し、液性免疫の主役として機能する。
- 正しい。B細胞は抗原刺激とヘルパーT細胞の補助を受けて活性化され、抗体産生に特化した形質細胞に分化する。
- 正しい。キラーT細胞(細胞傷害性T細胞/CD8+T細胞)はMHCクラスI分子上に提示されたウイルス抗原を認識し、パーフォリンやグランザイムを放出してウイルス感染細胞を直接破壊する。
- 誤り。ヘルパーT細胞(CD4+T細胞)は異物を貪食しない。ヘルパーT細胞はサイトカイン(インターロイキンなど)を分泌して他の免疫細胞(B細胞、キラーT細胞、マクロファージなど)を活性化する「免疫の司令塔」的役割を果たす。異物の貪食を行うのはマクロファージや好中球などの食細胞である。
ポイント
ヘルパーT細胞の役割は「貪食」ではなく「サイトカインによる免疫細胞の活性化(司令塔)」である点を正確に理解する。
- 覚え方のコツ: 「ヘルパー(Helper)=助ける」であり、他の細胞を「手助け」するのが仕事。自分で「食べる(貪食する)」のはマクロファージ(Macro=大きい + phage=食べる)の仕事と区別する。
- 関連知識: HIV(ヒト免疫不全ウイルス)はヘルパーT細胞(CD4+T細胞)に感染して破壊する。ヘルパーT細胞が減少するとB細胞やキラーT細胞の活性化が障害され、免疫不全状態(AIDS)に陥る。
- よくある間違い: マクロファージが「抗原提示」でヘルパーT細胞に抗原情報を伝えるため、「ヘルパーT細胞も貪食する」と混同しやすい。抗原提示を受けるのと貪食するのは全く別の機能である。
- 教科書では「c.白血球の働き」の範囲に該当する。
| T細胞の種類 | 別名 | 主な機能 |
|---|---|---|
| ヘルパーT細胞 | CD4+T細胞 | サイトカイン産生、他の免疫細胞の活性化 |
| キラーT細胞 | CD8+T細胞/細胞傷害性T細胞 | 感染細胞・腫瘍細胞の直接破壊 |
| 制御性T細胞 | Treg | 免疫応答の抑制、自己免疫の防止 |
表: T細胞のサブセットと機能
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