問題
健康成人の尿細管に分泌される物質はどれか。
- ブドウ糖
- タンパク質
- 赤血球
- アンモニア
解答: 4(アンモニア)
解説
- 誤り。ブドウ糖は糸球体で濾過された後、近位尿細管でNa+-グルコース共輸送体により再吸収される物質であり、尿細管から分泌はされない。
- 誤り。タンパク質は分子量が大きいため糸球体の濾過膜を通過できず、尿細管からの分泌も行われない。
- 誤り。赤血球は血球成分であり、正常では糸球体を通過せず、尿細管から分泌されることもない。
- 正しい。アンモニア(NH3)は尿細管(主に近位尿細管と集合管)の上皮細胞内でグルタミンの脱アミノ反応により生成され、尿細管腔に分泌される。分泌されたアンモニアは尿中のH+と結合してアンモニウムイオン(NH4+)となり、酸の排泄を担う。これにより体液のpH調節(酸塩基平衡の維持)に重要な役割を果たす。このほかH+、尿酸、クレアチニン、パラアミノ馬尿酸(PAH)なども尿細管から分泌される物質である。
ポイント
- 尿細管から分泌される代表的物質はアンモニア、H+、K+、尿酸、PAHなどであり、再吸収される物質(ブドウ糖、アミノ酸、Na+など)と区別して覚える。
- 覚え方のコツ: 「分泌=アン(NH3)・水素(H+)・パ(PAH)」と頭文字で覚える。再吸収と分泌は逆方向(分泌は血液→管腔)であることを意識する。
- 関連知識: アンモニアによる酸排泄は第7章D節の酸塩基平衡と密接に関連する。腎不全ではNH3産生が低下し代謝性アシドーシスの一因となる。
- よくある間違い: 「アンモニアは有害物質だから尿中に濾過されて出る」と考えがちだが、実際にはアンモニアは尿細管上皮細胞で新たに産生・分泌される。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 尿細管の機能 | 物質の例 | 方向 |
|---|---|---|
| 再吸収 | ブドウ糖、アミノ酸、Na+、水、HCO3- | 管腔→血液 |
| 分泌 | NH3、H+、K+、尿酸、PAH | 血液→管腔 |
表: 尿細管における再吸収と分泌の比較
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