問題
健康成人において腎臓の糸球体でろ過されないのはどれか。
- ブドウ糖
- アミノ酸
- クレアチニン
- 蛋白質
解答: 4(蛋白質)
解説
- 誤り。ブドウ糖(分子量180)は低分子であり、糸球体の濾過膜を自由に通過してろ過される。ろ過後、近位尿細管でほぼ100%再吸収される。
- 誤り。アミノ酸は低分子であり、糸球体で自由にろ過される。ろ過後、近位尿細管でほぼ100%再吸収される。
- 誤り。クレアチニン(分子量113)は低分子であり、糸球体で自由にろ過される。ろ過後、尿細管でほとんど再吸収されないためGFRの指標となる。
- 正しい。タンパク質(アルブミン:分子量約68,000など)は分子量が大きいため、糸球体の濾過膜のサイズバリア(分子量約70,000以上は通過不可)とチャージバリア(陰性荷電の基底膜がアルブミンなどの陰性荷電タンパク質を反発)により、正常ではろ過されない。糸球体腎炎やネフローゼ症候群ではこのバリアが破壊され、タンパク質がろ過されて尿中に出現する(蛋白尿)。
ポイント
- 糸球体のサイズバリアとチャージバリアにより、タンパク質(高分子)はろ過されず、低分子物質(ブドウ糖・アミノ酸・クレアチニンなど)は自由にろ過される。
- 覚え方のコツ: 「糸球体はザルのようなもの」と考える。小さな粒(低分子)は通過するが、大きな粒(タンパク質・血球)は通過しない。
- 関連知識: 糸球体の濾過膜は3層構造(有窓内皮細胞・基底膜・足細胞のスリット膜)からなり、サイズバリアとチャージバリアを構成する。
- よくある間違い: 「クレアチニンはろ過されない」と思いがちだが、クレアチニンは低分子でありろ過される。ろ過後に再吸収されないためにGFR指標となるのであり、ろ過の有無と再吸収の有無を区別することが重要。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 物質 | 分子量 | 糸球体でのろ過 | ろ過後の動態 |
|---|---|---|---|
| 水・電解質 | 小 | ろ過される | 大部分再吸収 |
| ブドウ糖 | 180 | ろ過される | ほぼ100%再吸収 |
| アミノ酸 | 75〜200 | ろ過される | ほぼ100%再吸収 |
| クレアチニン | 113 | ろ過される | ほぼ再吸収されない |
| アルブミン | 約68,000 | ろ過されない | — |
| グロブリン | 約150,000 | ろ過されない | — |
| 赤血球 | — | ろ過されない | — |
表: 糸球体濾過における物質の分子量とろ過の可否
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