問題
健常成人の血液中で最も多い免疫グロブリンはどれか。
- IgA
- IgD
- IgE
- IgG
解答: 4(IgG)
解説
- 誤り。IgAは血液中では2番目に多い免疫グロブリンであるが、主に唾液・涙液・母乳・消化管分泌液などの粘膜表面に分泌型IgAとして存在し、粘膜免疫の主役を担う。
- 誤り。IgDは血液中の量が極めて少なく、B細胞表面に発現して抗原受容体として機能するが、その詳細な役割は十分解明されていない。
- 誤り。IgEは血液中で最も少ない免疫グロブリンであり、肥満細胞や好塩基球のFcε受容体に結合してI型アレルギー反応(即時型過敏症)や寄生虫感染防御に関与する。
- 正しい。健常成人の血液中で最も多い免疫グロブリンはIgGであり、全免疫グロブリンの約75%を占める。IgGは唯一胎盤を通過できる免疫グロブリンであり、母体から胎児への受動免疫に重要な役割を果たす。二次免疫応答ではIgGが主体となって産生され、オプソニン化、中和、補体活性化など多彩な機能を持つ。
ポイント
血液中で最多の免疫グロブリンはIgG(約75%)であり、胎盤通過性を持つ唯一のIgである点が頻出ポイントである。
- 覚え方のコツ: 「IgGが”G”reatest(最大量)」と覚える。Ig5クラスの血中濃度順は「G>A>M>D>E」=「ガアムデ(噛むで!)」と語呂で記憶する。
- 関連知識: IgMは初期免疫応答(一次応答)で最初に産生される免疫グロブリンで5量体構造を持つ。ABO式血液型の自然抗体(抗A抗体・抗B抗体)はIgMに属する。母乳中のIgAは乳児の消化管粘膜を保護する。
- よくある間違い: IgAが「分泌液中で最多」であることとIgGが「血液中で最多」であることを混同しやすい。場所によって最多のIgクラスが異なる。
- 教科書では「d.免疫系に働く液性因子」の範囲に該当する。
| 免疫グロブリン | 血中比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| IgG | 約75% | 血中最多、胎盤通過性、二次応答の主役 |
| IgA | 約15% | 分泌液中に多い、粘膜免疫 |
| IgM | 約10% | 5量体、一次応答で最初に産生 |
| IgD | 微量 | B細胞表面の抗原受容体 |
| IgE | 極微量 | I型アレルギー、寄生虫防御 |
表: 免疫グロブリン5クラスの特徴
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