問題
健常成人の尿に含まれるのはどれか。
- 白血球
- グルコース
- アルブミン
- 窒素代謝産物
解答: 4(窒素代謝産物)
解説
- 誤り。正常尿には白血球はほとんど含まれない。尿中に白血球が多数出現する状態(膿尿)は尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)を示唆する異常所見である。
- 誤り。グルコースは近位尿細管でSGLTにより、ほぼ100%が再吸収されるため、健常成人の尿には含まれない。尿糖陽性は血糖値が腎閾値(約180mg/dL)を超えた場合に生じ、糖尿病の指標となる。
- 誤り。アルブミン(分子量約68,000)は糸球体のサイズバリアとチャージバリアにより、ろ過されないため正常尿には含まれない。微量アルブミン尿は糖尿病性腎症の早期マーカーとして臨床的に重要である。
- 正しい。健常成人の尿には窒素代謝産物が正常に含まれる。主な窒素代謝産物には尿素(タンパク質代謝の最終産物、尿中固形成分の最大)、クレアチニン(筋肉のクレアチン代謝産物)、尿酸(プリン体の代謝産物)がある。これらは体内で不要となった窒素含有化合物であり、腎臓から排泄されるのが正常である。尿の成分は約95%が水で、残りの約5%が溶質(尿素、Na⁺、Cl⁻、K⁺、クレアチニン、尿酸など)である。
ポイント
- 健常成人の尿には尿素・クレアチニン・尿酸などの窒素代謝産物が正常に含まれる。グルコース・アルブミン・白血球は正常尿には含まれない。
- 覚え方のコツ: 「正常尿に出てはいけないもの=タンパク・糖・血球」と覚える。これらが出現したら異常(尿検査のスクリーニング3項目)。
- 関連知識: 尿検査は臨床検査の基本であり、尿タンパク陽性→腎疾患、尿糖陽性→糖尿病、尿潜血陽性→糸球体腎炎・尿路結石などを疑う。尿の正常成分は生理学の基礎知識である。
- よくある間違い: 「尿素は尿に含まれない」と勘違いする受験生がいるが、尿素はまさに尿の名前の由来となった物質であり、正常尿の主要な固形成分である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 尿の成分 | 正常尿での有無 | 異常出現時の意義 |
|---|---|---|
| 窒素代謝産物(尿素・クレアチニン・尿酸) | 含まれる(正常) | — |
| 電解質(Na⁺、K⁺、Cl⁻) | 含まれる(正常) | — |
| グルコース | 含まれない | 尿糖陽性→糖尿病の疑い |
| アルブミン(タンパク質) | 含まれない | タンパク尿→腎疾患の疑い |
| 白血球 | 含まれない | 膿尿→尿路感染症の疑い |
| 赤血球 | 含まれない | 血尿→腎炎・結石の疑い |
表: 正常尿の成分と異常尿の意義
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