問題
作用発現に標的細胞内のセカンドメッセンジャーを介するのはどれか。
- カテコールアミン
- アルドステロン
- テストステロン
- トリヨードサイロニン
解答: 1(カテコールアミン)
解説
- 正しい。カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)は水溶性ホルモンであり、脂質二重膜の細胞膜を通過できない。そのため細胞表面の受容体(Gタンパク質共役型受容体)に結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化してcAMP(環状AMP)などのセカンドメッセンジャーを産生させ、細胞内にシグナルを伝達する。この仕組みにより作用発現が速い。
- 誤り。アルドステロンはステロイドホルモンで脂溶性であり、細胞膜を通過して細胞質内のミネラルコルチコイド受容体(核内受容体)に結合し、遺伝子転写を調節する。
- 誤り。テストステロンはステロイドホルモンであり、核内のアンドロゲン受容体に結合して遺伝子発現を調節する。
- 誤り。トリヨードサイロニン(T3)は甲状腺ホルモンで、細胞内に入り核内受容体に結合して遺伝子発現を調節する。
ポイント
水溶性ホルモン(ペプチド・カテコールアミン)は細胞膜を通過できないためセカンドメッセンジャーを介し、脂溶性ホルモン(ステロイド・甲状腺ホルモン)は核内受容体に直接作用する。
- 覚え方のコツ: 「水は膜を通れない→外から伝令(セカンドメッセンジャー)を使う」「脂は膜を溶かすように通過→核内に直接入る」と連想する。
- 関連知識: セカンドメッセンジャーにはcAMP、IP3、DAG、Ca2+などがあり、作用は速い(秒〜分単位)。核内受容体経由の作用は遺伝子転写を変化させるため遅い(時間〜日単位)が持続的である。
- よくある間違い: 甲状腺ホルモン(T3/T4)はアミノ酸誘導体だが脂溶性であり、ステロイドホルモンと同様に核内受容体に結合する。「アミノ酸由来=水溶性」とは限らない点に注意。
- 教科書では「c.ホルモンの作用機序」の範囲に該当する。
| ホルモンの種類 | 溶解性 | 受容体の位置 | シグナル伝達 | 作用速度 |
|---|---|---|---|---|
| ペプチドホルモン | 水溶性 | 細胞膜表面 | セカンドメッセンジャー | 速い(秒〜分) |
| カテコールアミン | 水溶性 | 細胞膜表面 | セカンドメッセンジャー | 速い(秒〜分) |
| ステロイドホルモン | 脂溶性 | 細胞内(核内) | 遺伝子転写調節 | 遅い(時間〜日) |
| 甲状腺ホルモン | 脂溶性 | 細胞内(核内) | 遺伝子転写調節 | 遅い(時間〜日) |
表: ホルモンの種類と作用機序の比較
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