問題
体温調節時の産熱に関与しないのはどれか。
- 副腎髄質ホルモンの分泌増加
- 甲状腺ホルモンの分泌増加
- 皮膚血管の拡張
- ふるえの増大
解答: 3(皮膚血管の拡張)
解説
- 正しい(産熱に関与する)。副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)は代謝を亢進させ、脂肪分解を促進して熱産生を増加させる。寒冷時に交感神経が活性化され分泌が増加する。
- 正しい(産熱に関与する)。甲状腺ホルモン(T3/T4)は全身の基礎代謝を亢進させ、酸素消費量を増大させて熱産生を増加させる。
- 誤り(産熱ではなく放熱)。皮膚血管の拡張は体表面からの熱放散を増加させる「放熱」反応であり、「産熱」には関与しない。暑熱時に皮膚血管が拡張して体表面の血流量が増加し、輻射・伝導・対流による放熱が促進される。産熱と放熱は正反対の機構であるため、明確に区別する必要がある。
- 正しい(産熱に関与する)。骨格筋のふるえ(シバリング)は不随意的な筋収縮により熱を産生する。寒冷時に体温調節中枢(視床下部)からの指令で起こる産熱反応である。
ポイント
産熱の3本柱は「副腎髄質ホルモン(代謝亢進)」「甲状腺ホルモン(代謝亢進)」「ふるえ(筋収縮)」であり、皮膚血管拡張は放熱反応である。
- 覚え方のコツ: 産熱=「ア(ドレナリン)・サ(イロキシン)・ふ(るえ)」の3つ。放熱=「汗(発汗)・血管拡張・不感蒸散」。問題448と対比して覚える。
- 関連知識: 体温調節中枢は視床下部にあり、セットポイント(約37度C)を基準に産熱と放熱のバランスを調節する。発熱時にはセットポイントが上昇し、ふるえや血管収縮が起こる。
- よくある間違い: 皮膚血管の「拡張」は放熱、皮膚血管の「収縮」は産熱ではなく放熱の「抑制」である点に注意する。血管収縮自体は熱を「産生」するのではなく、熱の「放散を防ぐ」機構である。
- 教科書では「d.甲状腺のホルモン」の範囲に該当する。
| 産熱反応 | 機序 | 関連ホルモン/神経 |
|---|---|---|
| 副腎髄質ホルモン分泌↑ | 代謝亢進、脂肪分解 | アドレナリン、ノルアドレナリン |
| 甲状腺ホルモン分泌↑ | 基礎代謝↑、酸素消費↑ | T3、T4 |
| ふるえ(シバリング) | 不随意筋収縮による発熱 | 体性神経(視床下部からの指令) |
| 放熱反応 | 機序 |
|---|---|
| 皮膚血管拡張 | 体表面からの輻射・伝導・対流による熱放散↑ |
| 発汗 | 汗の蒸発による気化熱の放散 |
| 不感蒸散 | 皮膚・呼気からの持続的水分蒸発 |
表: 産熱反応と放熱反応の比較
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