問題
体温について正しいのはどれか。
- 口腔温は直腸温より高い。
- 夜間は日中より高い。
- 月経後に高い。
- 食後に高い。
解答: 4(食後に高い。)
解説
- 誤り。口腔温は直腸温より低い。深部体温の高い順は直腸温>口腔温>腋窩温であり、直腸温が最も深部体温に近い値を示す。
- 誤り。体温は日内リズム(概日リズム)により日中(特に夕方)に高く、夜間(早朝3〜5時頃)に最低となる。日較差は約1℃以内である。
- 誤り。月経後(卵胞期)は低温相である。体温が高くなるのは排卵後の黄体期であり、プロゲステロンの作用による。
- 正しい。食後は食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)により体温が上昇する。食物の消化・吸収・代謝過程でエネルギーが消費されて熱が産生され、特にタンパク質の摂取で最も大きなDITが生じる。DITは摂取エネルギーの約10%に相当する。
ポイント
体温変動の要因として、日内リズム(夕方が最高)、性周期(黄体期が高温)、食事(食後に上昇)の3つを整理して覚える。
- 覚え方のコツ: 体温測定の信頼度は「直腸>口腔>腋窩」の順。「直(じ)口(こ)腋(え)」=「じこえ」→ 事故(直腸が一番正確)と語呂合わせ。
- 関連知識: 基礎体温は早朝覚醒直後に舌下で測定する。月経周期における低温期(卵胞期)と高温期(黄体期)の差は約0.3〜0.5℃で、この二相性が排卵の指標となる。
- よくある間違い: 「月経後に体温が高い」と考えがちであるが、月経後は卵胞期(低温相)にあたる。高温相は排卵後の黄体期である。
- 教科書では「b.女性生殖器」の範囲に該当する。
| 体温変動要因 | 高くなる条件 | 低くなる条件 |
|---|---|---|
| 日内リズム | 夕方(16〜18時頃) | 早朝(3〜5時頃) |
| 性周期 | 黄体期(プロゲステロン↑) | 卵胞期(月経後) |
| 食事 | 食後(DIT) | 空腹時 |
| 測定部位 | 直腸温(最も高い) | 腋窩温(最も低い) |
表: 体温変動の要因と条件
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント