問題
交感神経活動に対する効果器の反応で誤っているのはどれか。
- 瞳孔括約筋の収縮
- 気管支筋の弛緩
- 腸管平滑筋の弛緩
- 立毛筋の収縮
解答: 1(瞳孔括約筋の収縮)
解説
- 誤り。交感神経は瞳孔「散大筋」を収縮させて散瞳を起こす(α1受容体を介する)。瞳孔「括約筋」を収縮させて縮瞳を起こすのは副交感神経(動眼神経の副交感線維)の作用である。散大筋と括約筋の区別が重要であり、交感神経が作用するのは散大筋である。
- 正しい。交感神経はβ2受容体を介して気管支平滑筋を弛緩させ、気道を拡張する。
- 正しい。交感神経は腸管平滑筋を弛緩させて消化管運動を抑制する。闘争・逃走反応時に消化を後回しにする作用である。
- 正しい。立毛筋は交感神経のα1受容体を介して収縮し、鳥肌(立毛反射)を起こす。立毛筋は交感神経の単独支配である。
ポイント
交感神経は瞳孔「散大筋」を収縮させて散瞳を起こすが、瞳孔「括約筋」には作用しない。括約筋を収縮させるのは副交感神経である。
- 覚え方のコツ: 「交感神経=散瞳=散大筋を収縮」「副交感神経=縮瞳=括約筋を収縮」とセットで覚える。瞳孔には2つの筋(散大筋・括約筋)があり、それぞれ別の神経が支配する。
- 関連知識: 問706・613・616でも交感神経・副交感神経の作用が出題されている。対光反射(問629)は副交感神経を介した縮瞳反射である。
- よくある間違い: 「瞳孔散大=括約筋の弛緩」と勘違いしやすいが、交感神経は括約筋を弛緩させるのではなく、散大筋を「収縮」させて散瞳を起こす。
- 教科書では「h.自律神経系の神経伝達物質と受容体」の範囲に該当する。
| 瞳孔の筋 | 支配神経 | 作用 | 受容体 |
|---|---|---|---|
| 瞳孔散大筋 | 交感神経 | 収縮→散瞳 | α1 |
| 瞳孔括約筋 | 副交感神経(動眼神経) | 収縮→縮瞳 | ムスカリン |
表: 瞳孔の2つの筋の神経支配
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