問題
下垂体前葉ホルモンが関与しないのはどれか。
- 乳汁産生
- 血糖値上昇
- 成長促進
- 子宮収縮
解答: 4(子宮収縮)
解説
- 正しい。プロラクチン(PRL、下垂体前葉ホルモン)が乳腺に作用して乳汁の産生を促進する。妊娠中はエストロゲンの高値によりプロラクチンの乳腺への作用が抑制され、分娩後にエストロゲンが低下すると乳汁分泌が開始される。
- 正しい。ACTH(下垂体前葉)が副腎皮質を刺激してコルチゾール分泌を促進し、コルチゾールの糖新生促進作用により血糖値が上昇する。また成長ホルモン(GH、下垂体前葉)にも抗インスリン作用があり血糖を上昇させる。
- 正しい。成長ホルモン(GH、下垂体前葉)は骨端軟骨の増殖を促進し、肝臓でのIGF-1(ソマトメジンC)産生を介して成長を促進する。
- 誤り。子宮収縮に関与するのはオキシトシンであり、これは下垂体後葉から放出されるホルモンである。視床下部の室傍核で合成され、軸索輸送により後葉に運ばれて血中に放出される。下垂体前葉ホルモンは子宮収縮には直接関与しない。
ポイント
下垂体前葉ホルモンの作用(乳汁産生=PRL、血糖上昇=ACTH/GH、成長促進=GH)と後葉ホルモンの作用(子宮収縮=オキシトシン)を正確に区別することが重要である。
- 覚え方のコツ: 下垂体後葉は「オキシトシン(お産・お乳)」と「ADH(おしっこ)」の2つだけ。それ以外は全て前葉ホルモンの関与と考えてよい。
- 関連知識: 陣痛促進薬としてオキシトシンが臨床で使用される。また授乳時の射乳反射もオキシトシンの作用であるが、乳汁の「産生」はプロラクチン(前葉)、乳汁の「射出」はオキシトシン(後葉)と区別する。
- よくある間違い: 乳汁産生(プロラクチン=前葉)と射乳反射(オキシトシン=後葉)の混同。「乳」に関わるが前葉と後葉で役割が異なる。
- 教科書では「c.下垂体のホルモン」の範囲に該当する。
| 下垂体前葉ホルモン | 関与する生理機能 |
|---|---|
| プロラクチン(PRL) | 乳汁産生 |
| ACTH | コルチゾール分泌→血糖上昇 |
| 成長ホルモン(GH) | 成長促進、血糖上昇 |
| TSH | 甲状腺ホルモン分泌 |
| FSH/LH | 性腺機能調節 |
| 下垂体後葉ホルモン | 関与する生理機能 |
|---|---|
| オキシトシン | 子宮収縮、射乳 |
| バソプレッシン(ADH) | 水の再吸収促進 |
表: 下垂体前葉・後葉ホルモンと関与する生理機能
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