問題
ホルモンとその作用と組合せで誤っているのはどれか。
- 成長ホルモン ― 軟骨形成促進
- プロラクテン ― 乳汁産生促進
- カルシトニン ― 血漿カルシウム濃度上昇
- エリスロポイエチン ― 赤血球生成促進
解答: 3(カルシトニン ― 血漿カルシウム濃度上昇)
解説
- 正しい。成長ホルモン(GH)は下垂体前葉から分泌され、肝臓でのIGF-1産生を介して骨端軟骨の増殖を促進し、長管骨の成長を促す。正しい組合せである。
- 正しい。プロラクチン(PRL)は下垂体前葉から分泌され、乳腺の発達と乳汁の産生を促進する。正しい組合せである。
- 誤り。カルシトニンは甲状腺のC細胞(傍濾胞細胞)から分泌されるが、その作用は血漿カルシウム濃度の「上昇」ではなく「低下」である。破骨細胞の活動を抑制して骨吸収を抑え、骨へのカルシウム沈着を促進することで血中Ca濃度を低下させる。血漿Ca濃度を上昇させるのはパラソルモン(PTH、副甲状腺ホルモン)であり、カルシトニンとPTHは拮抗的に血中Ca濃度を調節する。
- 正しい。エリスロポエチン(EPO)は主に腎臓から分泌され、骨髄の赤芽球系前駆細胞に作用して赤血球の産生を促進する。低酸素状態が分泌刺激となる。正しい組合せである。
ポイント
カルシトニンは血中Ca濃度を「低下」させるホルモンであり、「上昇」させるパラソルモン(PTH)と混同してはならない。
- 覚え方のコツ: 「カルシトニン=カルシウムを沈(chin)める=Ca↓」「パラソルモン=パラソル(傘)でCaを上(↑)げる=Ca↑」と覚える。
- 関連知識: カルシトニンは甲状腺C細胞由来であるが、甲状腺ホルモン(T3/T4)とは全く異なる機能を持つ。甲状腺髄様癌はC細胞由来の腫瘍であり、カルシトニンが腫瘍マーカーとなる。
- よくある間違い: カルシトニンとパラソルモンの作用方向の混同が最も多い。両者は拮抗関係であることを必ず確認する。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| ホルモン | 分泌部位 | 血中Ca濃度への作用 |
|---|---|---|
| パラソルモン(PTH) | 副甲状腺 | 上昇↑ |
| カルシトニン | 甲状腺C細胞 | 低下↓ |
表: カルシウム調節ホルモンの比較
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